杉本喜代志

杉本 喜代志 (すぎもと きよし) について

1942年2月3日に静岡県で生まれた杉本喜代志は、日本のジャズ界で重要な役割を果たしてきたギタリストです。1970年代にはトップ演奏者として名を馳せ、スタジオ・ミュージシャンとしても幅広いジャンルの録音に参加しました。彼のキャリアは多岐にわたり、ジャズ、ロック、さらにはJ-POPやアニメソングにまで及びます。

音楽への道のり

杉本は小学6年生のとき、音楽家を志していた父から与えられた子供用のギターで音楽の世界に足を踏み入れました。高校に入ると、女流クラシック・ギタリストに弟子入りするために東京に向かいました。このとき、彼は東京交響楽団のチェリストと出会い、彼の音楽の道が一層広がることになります。

杉本はその後、ダンスバンドの仕事を経て、1960年代初頭にはカントリー音楽のバンドに参加。さらに彼は、いくつかのロカビリー・バンドを経て、自らのグループやスタジオ・ミュージシャンとして数多くのレコーディングを行いました。彼の音楽活動は多岐にわたり、さまざまなアーティストとの共演を果たしました。

ジャズの世界への到達

杉本は、最終的にジャズに辿り着き、いくつかの著名なジャズグループに参加しました。特に1970年には「日野皓正クインテット」に参加し、国際的なジャズフェスティバルでの演奏を経験しました。彼のリーダーとしてのアルバム『バビロニア・ウインド』は、ジャズファンの間で高く評価されており、彼の音楽的成長を象徴する作品となっています。

1978年にはアルバム『L.A.マスター』を発表し、その後も1981年に『ワン・モア』をリリース。これらの作品は、彼の洗練された音楽スタイルとその革新性を示すものです。2001年には、20年ぶりのリーダー・アルバム『サーキュレーション』が制作されました。

近年の活動

近年では、病治療を経て再始動し、ラテンジャズのアルバム『Arcadia』を発表しました。また、60年の音楽キャリアを祝した「Birthday Live」を新宿で行い、多くの音楽ファンにその姿を見せました。2021年には、日本ジャズ音楽協会から「ジャズ大賞」を受賞し、その名声はますます高まっています。

エピソード

杉本にはさまざまな興味深いエピソードがあります。渡辺貞夫からのグループ加入の誘いを断り、代わりに増尾好秋が加入したことが話題になったり、村上春樹との交流があったことも報告されています。彼はまた、筒美京平が信頼するミュージシャンの一人であり、厳しい演奏環境の中でも数多くのレコーディングセッションに参加したことで知られています。

ディスコグラフィ

杉本のリーダー作品には、先述したアルバムのほか、多くの著名なアーティストと共演した作品も含まれています。彼の音楽スタイルと影響は、この広範なディスコグラフィからも伺い知ることができます。

杉本喜代志の音楽は、聴く人々に深い感動を与え、今もなお日本の音楽シーンに影響を与え続けています。

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