杉本大虎

熊本県に生まれた杉本大虎は、1998年3月30日に生を受けました。柔道との出会いは幼い頃、3歳の時に地元の牛深錬成館でその第一歩を踏み出します。身長162cm、血液型O型、右組み手から繰り出す得意技は内股。男子60kg級の選手として知られています。

少年時代から柔道に打ち込み、全国の舞台に挑戦しました。小学校5年時には45kg級、6年時には50kg級で全国小学生学年別柔道大会に出場。しかし、残念ながらいずれも決勝トーナメントの初戦で敗退という悔しい結果となりました。

中学は天明中学へ進学。2年生時には55kg級で全国中学校柔道大会に出場し、準決勝まで駒を進めます。準決勝では、後のライバルとなる神戸生田中学の阿部一二三選手と対戦。一本背負投に屈し、3位入賞となりました。翌3年生では階級を60kg級に上げ再び全国大会へ。決勝まで勝ち進みましたが、ここでも阿部選手に敗れ、惜しくも準優勝に終わりました。中学時代は常に阿部選手の大きな存在を意識しながら成長を続けます。

高校は柔道強豪校の日体荏原高校へ。ここでも杉本選手の才能は輝きを見せます。高校2年時には全日本カデ選手権とアジアカデ選手権でそれぞれ準優勝を果たし、国際大会でも通用する実力を証明。さらに全国高校選手権でも3位に入賞するなど、着実に成績を伸ばしました。3年生時には全日本カデで3位となりましたが、インターハイでは早期敗退を喫するなど、順風満帆というわけではなく、課題と向き合う時期も経験しました。

2016年には中学時代からのライバルである阿部一二三選手と同じ、日本体育大学へ進学します。大学入学後も柔道に専念し、更なる飛躍を目指しました。大学1年時には全日本ジュニア選手権で3位に入賞。そして大学2年時、2017年には同大会で念願の初優勝を飾り、全国の頂点に立ちました。

全日本ジュニア優勝の勢いそのままに、同年の世界ジュニア選手権に出場。世界の強豪が集まる中で勝ち上がり、決勝へと進出しました。決勝の相手は、準決勝で大学の1年後輩である古賀玄暉選手を下してきた、世界ジュニアランキング1位のカラマト・フセイノフ選手（アゼルバイジャン）。緊迫した試合は本戦で決着がつかず、延長戦であるゴールデンスコア方式にもつれ込みました。一瞬の隙を逃さず、杉本選手は得意の寝技に引き込み崩袈裟固で勝利。見事、世界ジュニアチャンピオンの栄冠を掴みました。また、この大会で初めて開催された男女混合団体戦にも日本代表として出場。準決勝のロシア戦で勝利を収めるなど、チームの金メダル獲得に貢献しました。

大学2年時の快進撃は続き、同年10月には体重別団体選手権にも出場。大学の同級生であり、既に66kg級の世界チャンピオンとなっていた阿部一二三選手らとともに力を合わせ、日本体育大学柔道部創部以来初となる優勝に貢献しました。

大学を卒業後、2020年4月からは日本の柔道界を牽引する実業団の一つ、旭化成株式会社柔道部に所属。新たな環境で競技を続け、さらなる高みを目指し日々鍛錬に励んでいます。中学時代から培ってきた粘り強さと、世界を制した実力を武器に、今後の活躍が期待される選手です。

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