杉本康雄

杉本 康雄（すぎもと やすお）

日本の実業家、銀行家。1947年（昭和22年）2月27日、青森県三沢市に生まれる。青森県立八戸高等学校を経て、高崎経済大学経済学部を卒業。

銀行家としての歩み

1969年、弘前相互銀行（後にみちのく銀行、現・青森みちのく銀行）に入行。銀行員としてのキャリアをスタートさせる。根城支店長、国道支店長、業務推進部長などを歴任し、1996年には取締役業務推進部長に就任。翌年には取締役企画調整部長、2000年には常務取締役人事部長へと昇進するなど、順調に頭角を現した。しかし、当時の経営陣との間に意見の相違が生じた結果、2003年には取締役古川支店長へと役職を変更されることとなる。

その後、同行関連会社であるみちのくユーシーカード（現・みちのくカード）の社長を務める。しかし、2005年にみちのく銀行で相次いだ不祥事と、それに伴う金融当局からの業務改善命令により、経営体制が刷新される非常事態を迎える。この危機的な状況下、同行の再建が急務となる中で、主要株主であったみずほフィナンシャルグループからの要請もあり、頭取として銀行経営の最前線に復帰することとなった。

頭取時代と銀行再生

2005年、代表取締役頭取に就任。混乱の渦中にあったみちのく銀行の立て直しを託される。頭取として、失墜した信頼の回復と組織の再生に全力を注いだ。不祥事の再発防止策の徹底、ガバナンス体制の強化、そして収益力の改善に向けた抜本的な業務改革を推進。困難な状況が続いたが、そのリーダーシップのもと、徐々に経営の安定化と営業基盤強化に向けた道筋を確立していった。2013年6月、頭取として一定の成果を挙げ、同行の再生に貢献したとして、代表取締役会長に退いた。

その後の活動

会長就任後も、引き続き経営の中枢で銀行を支えたが、2016年6月には代表権を返上し、取締役会長兼取締役会議長に就任。2018年6月には相談役となり、第一線から退いた。

銀行経営に携わる傍ら、地域社会の発展にも尽力。2008年には青森経済同友会の代表幹事を務めた。2015年4月には、青森県立美術館の館長に就任。美術を通じた地域文化振興に貢献しており、現在もその任にあたっている。また、2021年には一般社団法人として法人化された青森県レクリエーション協会の代表理事会長に就任するなど、スポーツやレクリエーションの普及振興にも関わっている。

杉本氏は、銀行経営者として激動の時代を乗り越え、地域の金融機関の再生に貢献した一方で、文化・スポーツ分野など幅広い領域で青森県の活性化に貢献し続けている人物である。

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