杉本良夫

杉本良夫について

杉本良夫（すぎもと よしお）は、1939年12月7日に兵庫県西宮市に生まれました。彼は日本の社会学・文化人類学の分野で著名な研究者であり、オーストラリアのラトローブ大学の名誉教授として活躍しています。彼は、日本社会に関する多様性や複雑さを探求し、特に日本文化や社会に新たな視点を提供することで広く知られています。

学歴とキャリア

杉本は洛星高等学校を卒業後、京都大学法学部に入学しました。在学中にアメリカのスワースモア大学に留学した経験を持つ彼は、大学卒業後に毎日新聞社での仕事を経て、1967年にアメリカに渡りました。そこで歴史社会学を専攻し、1973年にピッツバーグ大学で社会学の博士号を取得しました。

その後、彼はオーストラリアのラトローブ大学において社会学部の教授として教鞭を執ることになります。1988年から1991年には同大学の社会学部長を務め、また1981年にはメルボルン日本研究センターの初代所長として、日本研究の発展に寄与しました。

主な業績

杉本氏の研究は日本社会に対する理解を深める重要な役割を果たしました。彼は、日本社会を単一均質なものとする見方に挑戦し、多様性や階層構造に基づくマルチカルチュラル・モデルを提唱しました。この観点から、多くの著書を執筆し、特に「An Introduction to Japanese Society」は、英文学術書として高く評価されており、現在までに第5版が出版されています。

杉本は、Kegan Paul InternationalやCambridge University Pressの責任編集者として、日本研究に関する多くの著書の出版に寄与し、また1999年には主に日本の社会科学を英語で出版することを目的とした出版社Trans Pacific Pressをメルボルンで設立しました。彼は150点以上の英語文献の編集に関わり、2020年に退職しました。

著書と受賞歴

杉本は、以下のような多くの著書を執筆しています。

• - 『日本人は「日本的」か――特殊論を超え多元的分析へ』（1982年）
• - 『日本人をやめる方法』（1990年）
• - 『オーストラリア──多文化社会の選択』（2000年）
• - 『進化しない日本人へ――その国際感覚は自画像の反映である』（1988年）

彼の業績は数多くの賞によって評価されています。2022年には瑞宝中綬章を受賞し、2017年には外務大臣表彰を受けました。また、オーストラリア日本研究学会からは終身会員に選ばれています。

持続的な影響

近年も彼の研究や著作は、日本社会の研究や理解に大きな影響を与え続けています。杉本良夫は、日本とオーストラリアという二つの文化圏の架け橋として、今後も研究活動を通じて社会に貢献し続けることでしょう。

もう一度検索