杉浦則夫

杉浦則夫: 日本の緊縛写真家

杉浦則夫（すぎうら のりお）は、1942年4月9日に愛知県名古屋市で生まれた。名古屋で18年間過ごした後、デザイン専門学校に入学したが、特に得るものもなく中退。その後、TV用人形劇の大道具のアルバイトを経て、1970年代初頭には浅草東洋劇場で進行係や照明係として働くこととなった。この頃、日本のストリップ劇場は衰退期を迎えており、一方でピンク映画は急速に進化を遂げていた。

ピンク映画は、その美しい映像美で知られ、昭和48年頃に伝説的な映画監督・故太古八郎から団鬼六を紹介される。彼は鬼プロ制作の助手として、ピンク映画の制作と、映画上映の合間に行われるピンク芝居の参加にも関わることになった。当時、鬼プロは「SMキング」を創刊し、談鬼六、女優の紅まちこ、座長の太古八郎らとともに活躍した。

その後、杉浦は編集者として「SMキング」に関与し、写真撮影を担当するようになる。緊縛撮影の現場で3〜4年の経験を経て、彼はカメラマンとして独立し、SM雑誌の主要な作品を手掛けるようになった。

彼は「SMセレクト」や「SMファン」といった当時のSM雑誌で活動をし、昭和末期には「SMマニア」や「SM秘小説」の巻頭グラビアも担当。その時期、団鬼六や千草忠夫、美濃村晃、辻村隆などの著名な作家たちが多くの読者を魅了していた。

杉浦は、その後、三和出版に移籍し、さまざまなマニア雑誌の巻頭カラーやSM写真集を撮影して現在に至る。彼の作品は、緊縛というテーマを持ちながら、見る者に新たな視点を提供し続けている。

主な作品

• - アリス出版: 兄・妹 (1976)
• - 三和出版: マニア倶楽部（巻頭グラビア）
• - 三和出版: おもらし倶楽部
• - 杉浦則夫電網雑誌: 緊縛写真 (2002〜)
• - 杉浦則夫緊縛桟敷: 緊縛写真 (2005〜)
• - 昭和緊縛史 (2007〜)
• - 緊縛映像美集: 川上ゆう…しかし本当の快楽は (2008)
• - 電子書籍: プライベート緊縛記録 和室編 (2012)

写真展

• - 杉浦則夫写真展: 女、裸、縄 〜感じいるもの〜（2012）

参考文献

• - SMペディア「杉浦則夫」

彼の作品は、現在でも多くのファンに支持され、緊縛写真の美しさや深さを追求し続けている。杉浦則夫は、日本の緊縛写真の第一人者として確固たる地位を築いてきた。

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