ストリップ劇場

ストリップ劇場とは

ストリップ劇場は、舞台上で女性のストリッパーが音楽に合わせて踊りながら衣服を脱いでいく様子を鑑賞する、大人のためのエンターテイメント施設です。性的娯楽施設としての側面を持ちますが、近年ではダンスや演出の芸術性も評価され、多様な客層を集めています。

歴史

日本のストリップ劇場の歴史は、終戦直後の1947年に始まりました。1970年代には全国で300〜400軒もの劇場が存在し、隆盛を極めました。しかし、1980年代以降はAV女優の出演や過激な演出が中心となり、次第に人気は衰退。1990年代のバブル崩壊とともに劇場数は減少していきました。

2023年現在、全国のストリップ劇場は18軒まで減少しましたが、踊りで魅せるスタイルは根強いファンを獲得し、時代に合わせて進化を続けています。近年では、女性客や外国人観光客の増加も見られ、新たな客層を開拓しています。

近年の動向

ストリップ劇場のショーは、かつては過激な演出や観客との接触を伴うものが主流でしたが、近年ではダンサーの技術や演出のクオリティが重視される傾向にあります。エアリアル（空中演技）などの高度なパフォーマンスを取り入れる劇場も現れ、観客は洗練されたダンスや肉体美を楽しめるようになりました。

また、女性客の増加に伴い、群舞を取り入れたレビュー形式のショーも人気を集めています。浅草ロック座では、女性客が3割を占めることもあるそうです。

法律上の定義

ストリップ劇場は、興行場法に基づく興行場であり、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律（風適法）における店舗型性風俗特殊営業に該当します。そのため、経営や設置には関係法令の規制を受け、新規開業や増改築が難しい状況にあります。

料金体系と劇場内の様子

入場料は劇場によって異なり、おおよそ3,000円から6,000円程度です。多くの劇場では、学割やシルバー割引、早朝・深夜割引などのサービスを提供しています。入替制ではない劇場が多く、一度入場すれば閉館時間までショーを楽しむことができます。

舞台は円形で客席中央に張り出す形状が一般的で、「でべそ」と呼ばれています。観客は「でべそ」を囲むように配置された座席に座り、音楽に合わせて踊るストリッパーの姿を鑑賞します。

かつての演目

かつては様々な演目がありましたが、2020年代現在ではソロベッド以外は稀です。

ソロベッド：ダンスやマイムを中心としたショーで、進行に合わせて少しずつ衣装を脱いでいく。
タッチショー：複数の観客に、順番にバストを触らせる。
指ポンショー：複数の観客に、順番に指を膣に挿入させる。
天狗ベッド：天狗の面、張型等を用いてオナニーを演じる。
SMショー：男女のペアもしくは女性単体で、SMあるいは自縛ショーを演じる。
花電車：女陰で吹き矢を飛ばす、ラッパを鳴らす、習字を書く、バナナ、キュウリを折る、あるいは女陰から卵、炎を出す様などを見せる。元々は戦前の遊郭でのお座敷芸だったものがショー化したものとされる。
まな板ショー（白黒ショー）：ステージ上で、ストリッパーと客が実際に本番行為を行う。

お笑いとの関係

1980年代までは、ストリップ劇場の幕間にお笑い芸人が漫才やコントを披露することがありました。しかし、テレビの隆盛や関西系ストリップの台頭により、お笑い要素は次第に消滅していきました。

ストリップ劇場の現状とこれから

かつては多くの温泉街に存在した温泉ストリップも、現在では数を減らしています。しかし、ストリップ劇場は、時代に合わせて変化し、新たな魅力を発信することで、多様な観客を魅了し続けています。

営業中の劇場は以下の通りです。

北海道: 営業する劇場なし
東北: 営業する劇場なし
関東: わらびミニ劇場（埼玉県蕨市）※2022年4月の火災事故により休業。→2024年8月20日再開、浅草ロック座（東京都台東区）、シアター上野（東京都台東区）、新宿ニューアート（東京都新宿区）、渋谷道頓堀劇場（東京都渋谷区）、池袋ミカド劇場（東京都豊島区）、川崎ロック座（神奈川県川崎市）、横浜ロック座（神奈川県横浜市）、大和ミュージック（神奈川県大和市）
中部: 熱海銀座劇場（静岡県熱海市）、まさご座（岐阜県岐阜市）、芦原ミュージック（福井県あわら市）
関西: DX東寺劇場（京都府京都市）、東洋ショー劇場（大阪府大阪市）、晃生ショー劇場（大阪府東大阪市）
中国・四国: ニュー道後ミュージック（愛媛県松山市）
九州: A級小倉劇場（福岡県北九州市）

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