杉重運

杉重運（すぎ しげかず）

杉重運は、南北朝時代から室町時代にかけて活躍した武将であり、周防国（現在の山口県）の守護大名であった大内氏の重臣として知られています。大内義弘に仕え、その武勇をもって数々の戦で功績を挙げました。杉豊後守、杉豊後入道とも称されました。

豊後守に任じられた後、出家して豊後入道と名乗りました。豪胆で武術に優れ、特に大刀の扱いに長けていたと伝えられています。

明徳の乱での活躍

明徳2年（1391年）に勃発した明徳の乱では、大内義弘に従い、京都二条大宮において足利義満率いる幕府軍と激戦を繰り広げました。その奮戦ぶりは将軍・足利義満からも高く評価され、内書が発給されるほどでした。

応永の乱での壮絶な最期

応永6年（1399年）、主君である大内義弘が応永の乱を起こすと、杉重運も義弘に従い堺へと進軍しました。将軍義満からの使者が派遣され、今後の対応を協議した際には、徹底抗戦を主張しました。堺での防衛戦では、南曲輪の守備を任されました。

応永7年（1400年）12月21日、北曲輪が陥落し、義弘とその子である杉備中守が戦死したという知らせが届くと、重運は単身北曲輪へと駆けつけ、敵兵6人を斬り倒しました。重連らの勢いに押された幕府軍200騎あまりが約218メートルも退却するほどの勢いでしたが、山名人道某との一騎打ちでこれを打ち破りました。

しかし、その後の戦闘で10カ所以上もの重傷を負い、ついに力尽き戦死しました。主君への忠義を貫き、壮絶な最期を遂げた杉重運の武勇は、後世に語り継がれています。

参考文献

近藤清石『大内氏實録』中元壮作、宮川臣吉、山口県山口町、1885年10月28日。 NCID BA33800345。 NDLJP:780384
芝蘭堂. “現代語訳　応永記”. 2017年1月15日閲覧。

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