李世光

李世光（リ・セグァン）

李世光（リ・セグァン、朝鮮語: 리세광、1985年1月21日 - ）は、北朝鮮の元体操競技選手であり、跳馬を専門としていました。彼は4.25体育団に所属し、数々の国際大会で優秀な成績を収めました。

経歴

2006年、ドーハで開催されたアジア競技大会で、リ・セグァンは跳馬で安定した演技を披露し、北朝鮮に体操競技初の金メダルをもたらしました。この成功を皮切りに、彼は国際舞台で頭角を現し始めます。

翌2007年の世界体操競技選手権では、跳馬で銅メダルを獲得し、その実力を世界に示しました。しかし、彼の名前が広く知られるようになったのは、2009年の世界体操競技選手権です。

この年、リ・セグァンは跳馬において、当時としては非常に難易度の高い「ツカハラからのダブル一回ひねり」を世界で初めて成功させました。この革新的な技は「リ・セグァン」と名付けられ、彼の名を体操史に刻みました。2009年当時の採点基準では、リ・セグァンの跳馬の得点は7.2と評価され、これは梁鶴善の7.4に次ぐ高得点でした。

2012年、北朝鮮の女子体操選手の年齢詐称問題の影響を受け、リ・セグァンはロンドンオリンピックへの出場を禁じられます。しかし、2か月後には出場停止処分が解除され、再び競技に復帰しました。

2014年のアジア競技大会では、ロンドンオリンピック金メダリストである韓国の梁鶴善を予選で抑え、1位通過を果たしました。しかし、決勝では惜しくも4位に終わり、メダル獲得はなりませんでした。

同年、中国の南寧で開催された世界体操競技選手権では、リ・セグァンは種目別決勝で平均点15.413を獲得し、金メダルを獲得しました。彼は2回の跳馬で最高難度の6.4の得点を獲得し、2回目の跳馬で着地が乱れたものの、前世界王者の梁鶴善らを上回る結果となりました。

2015年の世界体操競技選手権でも、リ・セグァンは個人跳馬で連覇を達成しました。平均点15.450で、ベテランのマリアン・ドラグレスクらを抑えて優勝しました。

そして、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、リ・セグァンは個人跳馬決勝で金メダルを獲得し、長年の努力が実を結びました。

2018年のアジア競技大会では、予選を6位で通過し、決勝では5位に終わりました。同年の世界体操競技選手権では、平均点14.933で金メダルを獲得しています。

2020年2月、リ・セグァンは現役引退を表明し、長年の競技生活に別れを告げました。

リ・セグァンの名を冠した技

リ・セグァンは、跳馬において国際体操連盟 (FIG) が定める2017-2020年の採点規則で、最高難易度であるDスコア6.0の技を複数（2つ）有する唯一の選手です。これは彼の技術的な貢献と、体操競技への影響を物語っています。

主な競技成績

2006年アジア競技大会：跳馬 金メダル
2007年世界体操競技選手権：跳馬 銅メダル
2014年世界体操競技選手権：跳馬 金メダル
2015年世界体操競技選手権：跳馬 金メダル
2016年リオデジャネイロオリンピック：跳馬 金メダル
2018年世界体操競技選手権：跳馬 金メダル

リ・セグァンは、その卓越した技術と不屈の精神で、北朝鮮の体操競技界に多大な貢献を果たしました。彼の名は、今後も体操史に語り継がれるでしょう。

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