李基枋

李基枋 (り きほう)

李基枋（イ・ギバン）は、1888年に朝鮮の平安北道で生まれました。彼は日本名を松村基弘として知られ、明治から昭和にかけて大韓帝国及び朝鮮総督府の官僚として活動しました。従四位の位階と勲三等の勲位を持ち、彼の生涯にわたるキャリアは多岐にわたります。

学業と初期のキャリア

李氏は1904年に日語速成課程を修了し、その後1906年には日本の明治大学に留学します。在学中、彼は朝鮮人留学生が組織した太極学会に参加し、文化的な交流や活動の推進に寄与しました。彼の留学は、後の官僚としてのキャリアに影響を与えた重要な時期でした。

1908年に帰国後、彼は全羅北道全州郡の主事に任命されます。これは彼の公共サービスのキャリアのスタートであり、1910年には韓国が日本に併合されると、朝鮮総督府に奉職することになります。このようにして、彼は日本の統治下での官僚としての道を歩み始めました。

官僚としての業績

李基枋は、最初に全羅北道書記に任命された後、様々な役職を歴任しました。1912年から1921年まで扶安郡書記を務め、その後も全羅北道書記や鎮安郡守、任実郡守、金堤郡守などの重要な役職を担いました。また、1922年には郡守として内地視察に参加し、現地の行政や経済に関する視察を行いました。

その後、彼は1928年に平安南道理事官と内務部産業課長に昇進し、さらに京畿道産業課長を経た後、1933年には開城府尹に任命されました。これらの役職を通じて、彼は日本統治下の朝鮮の産業発展にも寄与したとされています。

後期の活動と評価

李はその後も黄海道参与官や咸鏡北道参与官として活躍し、文官普通分限委員会の黄海道予備委員や咸鏡北道委員、朝鮮儒道聯合会理事などを兼任しました。1940年に創氏改名した後、1941年には忠清南道知事に就任し、1942年に退官を迎えます。

退官後は、朝鮮馬事会の評議員や国民総力朝鮮連盟の理事、朝鮮有煙炭株式会社の監査など、様々な社会的役割を果たしました。しかし、日本の敗戦後、彼は1949年1月に反民族行為特別調査委員会に逮捕され、起訴猶予処分を受けました。2004年には、韓国で制定された特別法により親日反民族行為者に認定されています。

結論

李基枋の生涯は、日本の殖民地時代における朝鮮の官僚としての複雑な側面を反映しています。彼の経歴は、日本による統治の影響下での朝鮮人の立場や役割について考察する材料を提供しており、今後の研究においても重要な視点を持つものとなるでしょう。

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