李姫鎬

李姫鎬の生涯と彼女の影響

李姫鎬（イ・ヒホ）は、1922年9月21日に京城府（現在のソウル）で誕生しました。彼女は韓国の政治運動家として知られ、元大統領金大中の妻（ファーストレディ）としても著名です。李氏は全州李氏の出身であり、譲寧大君の子孫でもあります。彼女は生涯を通じて社会に多くの貢献を果たし、特に女性の権利向上に力を注ぎました。

学歴とキャリア

李姫鎬は、梨花女子専門学校を卒業後、1946年にソウル大学校の師範大学教育学科に進学しました。そして1950年に同学科を卒業します。その後、アメリカに渡り、ラムボス大学で社会学を学び、カーリット大学院で修士号を取得しました。さらに、青山学院大学から名誉博士号を授与されたこともあります。

彼女は帰国後、女性問題研究院の幹事や梨花女子大学の講師を務めるなど、教育と研究の分野でも活動しました。また、大韓YWCA連合会や韓国女性問題研究会のリーダーとしても活躍し、公共の場における女性の姿を向上させるために邁進しました。

金大中との結婚と支援

1962年、李姫鎬は公職追放中の金大中と結婚します。金大中は政治的な理由から死刑判決を受け、獄中にいましたが、彼女は毎日のように手紙を送り続け、彼を支えました。李姫鎬自身も敬虔なカトリック教徒であり、夫婦の信仰は彼らの絆を深めました。彼女は韓国第１世代の女性運動家として、社会運動に参加する中で多くの人々から尊敬されました。

家族の役割と困難

李姫鎬には、金大中との間に生まれた息子、金弘傑がいます。金大中には、前妻との間に2人の子供がいましたが、彼女は新しい家庭を築くことに尽力しました。特に2002年には、息子たちが収賄で逮捕されるという逆境に直面し、夫とともに困難な時期を過ごしました。この年を振り返り、彼女は「悪夢のようだった」と語っています。

南北首脳会談と訪朝

李姫鎬は、2000年6月に金大中が北朝鮮の金正日総書記と初めて会談するために訪朝する際にも同行しました。彼女の存在は、韓国と北朝鮮の橋渡しとして期待されました。2009年に金大中が亡くなると、北朝鮮から送られた弔問団も彼女の支えを象徴していました。

その後2015年には個人の資格で北朝鮮を訪れ、政治の枠を超えた交流を試みました。李姫鎬の活動は、彼女の人生を通じて多くの人々に影響を与え続けています。

死去とその影響

2019年6月10日、李姫鎬はソウルの病院で96歳で亡くなりました。その死を受け、北朝鮮は金与正を派遣し、彼女を偲ぶ弔辞を述べました。彼女が生涯を通じて果たした役割や、社会に対する貢献は、韓国女性運動の憧れとなり、今後も多くの人々に語り継がれていくことでしょう。

著書

李姫鎬は、著書も数多く残しています。中でも『勇気ある女（ひと）－金大中夫人回想記』や『夫・金大中とともに　苦難と栄光の回り舞台』は、彼女の人生の軌跡や夫としての金大中との生活を知る上で貴重な資料となっています。

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