李希烈

李希烈は、唐代の節度使として、その波乱に満ちた生涯を送りました。彼の出自は燕州遼西県であり、淮南西道節度使であった李忠臣（董秦）の族子にあたります。

安禄山の乱では、李忠臣に従い各地を転戦し、その部将として活躍しました。しかし、李忠臣の横暴な振る舞いに不満を抱き、大暦14年（779年）には彼を追い出して自立し、節度使の地位を手に入れます。当初、李希烈は唐朝に恭順の姿勢を示し、建中2年（781年）には反乱を起こした山南東道節度使の梁崇義を滅ぼすという功績を挙げ、使相にも任命されました。しかし、その裏では野心を抱いており、翌年末には恩賞への不満からついに反乱を起こし、自ら楚国皇帝と称して元号を武成と定めました。

彼は、朱泚の反乱に呼応して東都（洛陽）を攻撃しました。興元元年（784年）に他の諸鎮が唐に帰順した後も、李希烈は降伏を拒否して戦い続けました。唐朝は、彼を慰諭するために顔真卿を特使として派遣しましたが、李希烈は顔真卿を捕らえ、自らの配下になろうと説得しました。しかし、顔真卿は最後まで屈することなく、李希烈はついに彼を殺害するという暴挙に出ました。その後も、李希烈は抵抗を続けましたが、貞元2年（786年）に至り、戦況は不利になり、最後は配下の陳仙奇によって殺害され、その生涯を終えました。

李希烈の反乱は、唐朝の動乱期における地方勢力の台頭を示す出来事であり、彼の生涯は、その時代の混乱を象徴するものであったと言えるでしょう。

李希烈に関する主な伝記資料としては、『新唐書』の「李希烈伝」が挙げられます。この史料を通して、彼の生涯や人物像を知ることができます。

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