李斉物

李斉物の生涯と業績

李斉物（り せいぶつ、? - 761年）は、唐の宗室に生まれ、特に官職としての活動を通じて知られる人物です。彼の字は道用で、淮安王李神通の曾孫として歴史の舞台に登場します。

家系と初期の経歴

斉物は塩州刺史の李孝鋭を父に持ち、李璟の子として生を受けました。学問や技術においては際立つ才能は見られなかったものの、官職に就くときちんとした紀律を守る姿勢を尊重されました。彼は開元24年（736年）以降、懐州刺史や陝州刺史としての重要な任務を果たしました。

業績と改革

天宝元年（742年）には、彼の手によって砥柱の険が開かれ、水運がスムーズに行えるように改良が進められました。また、古い鉄製の農具が発見されたことから、「平陸」という字名を持つ地域を河北県から平陸県に改称しました。これにより地域経済の発展にも寄与しました。

彼はその後、銀青光禄大夫の位を与えられ、鴻臚寺卿や河南尹も兼任しました。右相の李適之とは良好な関係を築いていましたが、李適之が他者の陰謀により地位を失うと、斉物も同様に左遷されてしまいます。それでも、彼は再び入朝し、司農寺卿や鴻臚寺卿などの要職を歴任しました。

統治のスタイル

至徳2載（757年）、斉物は太子賓客に任じられ、刑部尚書や鳳翔尹、太常寺卿、京兆尹をも歴任しました。彼の政治的手腕は、官吏の隠れた行動を厳しく監視し、暴露することに優れていました。彼は恩恵を与えることは少なかったものの、その清廉さと自己管理によって、民衆や官吏からは強い反発を受けることはありませんでした。

晩年と死去

晩年には太子太傅に任じられ、同時に宗正寺卿も兼務しました。上元2年（761年）5月には、生涯を閉じましたが、彼は太子太師の位を追贈されています。彼の死後、彼の子である李復がその家系を引き継ぎました。

まとめ

李斉物の生涯は、唐の時代における政治の在り方や官吏としての模範を示すものであり、その清廉な政治姿勢と実務能力は後世に影響を与えました。彼の業績は、歴史書『旧唐書』や『新唐書』に記録されており、彼の名前は中国の歴史の中で確固たる位置を占めています。

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