李球

李 球（イ・グ）：李氏朝鮮の影響力ある宗親

李球（イ・グ、1788年 - 1836年5月5日）は、李氏朝鮮における著名な宗親であり、家系は全州李氏延齢君派に属します。彼の父は李秉源であり、李球は第2子として生まれ、その初名は「寀重」として知られていました。後に彼は「球」に改名し、字を「時伯」とし、諡号として「忠正」を与えられました。また、彼は南延君として爵位を叙爵され、第4子には興宣大院君がいます。

生い立ちと背景

李球は貧困の中で育ちました。誕生から約30年の間に、家族の経済状態は良好ではなく、祖父や曽祖父の時代に王位承継の権利を持たないことが確定してしまっていました。彼の曽祖父、安興君以降、家族は王位のすぐ近くにいたにもかかわらず、次第に威厳を失っていったのです。しかし、この状況の中でも、李球は南延君から学問を受け、身を高めるための努力を続けました。

宗親期の活動

1816年1月17日、李球は地位を引き継ぎ「球」に改名。それに伴い南延君として爵位を賜ります。彼は純祖に謁見し、永祐園守園官に任命され、政治においても影響力を持ち始めます。

1817年から1826年にかけて、彼は多くの官職へ就任し、その都度、評価が分かれることもありました。1820年には女子への不適切な行為が原因で一時任官を免じられ、その後も波乱に満ちた官歴を歩み続けました。彼が官職にあった頃、李球には批判が集まり、南延君が名指しで不適切人物とされることもありましたが、時に哲宗実録では彼が模範的な人物として紹介されることもあり、彼の評価には大きなばらつきが存在しました。

卒去後の影響

李球は1836年に61歳でこの世を去りました。彼の死後、彼は「栄僖」の称号を追贈され、1864年には興宣大院君によって「忠正」の称号へと改められました。彼の墓所は一旦京畿道漣川郡に埋葬されましたが、後に忠清南道礼山郡に移転されることとなりました。この移転に関しては、後の高宗によって報徳寺が設立されるなど、宗教的な意義も持ちました。

しかし彼の名前は、ドイツの商人エルンスト・ヤーコプ・オッペルトと結びついています。オッペルトは、南延君の遺体を掘り起こす計画を持ち込むも、維持されていた副葬品の破損という事件を引き起こしました。この事件は、当時の朝鮮における鎖国の方針を強化する要因ともなり、朝鮮側は外国と接触を一層避ける結果を招くことになりました。

結論

李球の生涯は、個人の成長や政治の混迷が交錯する興味深いストーリーを提供しています。彼の家系は困難な時代を受け継ぎながらも、政治の中心で力を持つことを目指しました。しかし、その活動にはさまざまな論争が伴うものであり、その影響は彼の死後でも続いたのです。李球の人生は、李氏朝鮮の時代背景や家族の運命がどのように絡み合っていたのかを示す典型的な例と言えるでしょう。

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