李祖原

李祖原：現代台湾建築の巨星

李祖原（リー・ズーユェン、英語名：C.Y. Lee）は、1938年に中華民国広東省掲陽県で生まれた著名な建築家であり、画家でもあります。彼の建築スタイルは中華文明の伝統を受け継ぎつつ、現代の感性を反映したものが特徴で、台北101や高雄85ビルなど台湾を代表する超高層ビルを数多く設計しています。宗教建築においては中台禅寺が特に有名で、李本人は水墨画にも情熱を注いでいます。

初期の生活と教育

李祖原は国立台湾師範大学附属高級中学を卒業後、国立成功大学の建築学系に進学し、1961年に卒業しました。その後、アメリカのプリンストン大学建築学科で修士号を取得し、1966年に修了。学問を重ねていく中で、李は建築が自身の芸術的表現の一環であることをすぐに理解したと言います。

1970年には東海大学で助理教授に就任し、同年、日本万国博覧会における中華民国館の設計助手として実務デビューを果たしました。この経験が、後の建築家としての彼の活動に大きな影響を与えることになります。

アメリカでの経験

1971年から1978年にかけてアメリカでの職務を経て、李はフィラデルフィアやボストン、ロサンゼルスの建築事務所で活躍しました。この時期にはトランスアメリカ・ピラミッドのデザインにも関わり、重要な経験を積み重ねます。しかし、故郷台湾への強い思いが募る中、1978年に帰国し、自己の建築事務所を設立しました。

台湾と中国における活動

台湾に戻った李は、華人実業家鄭周敏が手掛けた環亞世界大楼の設計を担当し、この作品以降、台湾と中国内で多くの建築作品を生み出しています。たとえば、台北101や高雄85ビルといった超高層ビルがその代表例であり、これらの建物は台湾のスカイラインを彩る重要な存在となっています。

中台禅寺と宗教への影響

李はまた、禅宗を深く信仰するようになり、2001年に建設した中台禅寺は、彼の信仰を象徴する作品の一つとなっています。彼は中華思想と西洋の技術を融合させ、その成果物には新たな視点が取り入れられています。

設計思想と影響

李の設計思想は、彼の生い立ちや教育背景に大きく影響されています。台湾で高校生時代、美術教師を志望していた彼は、後に友人から建築の道を勧められ、これが彼を建築家へと導きました。大学での教育を経て、李は「中国文化を知ることが、中国人としての建築作品の設計につながる」との思想を持つようになりました。

彼は儒学や仏教、道教の思想を学びながら、個々の文化が持つ特性を建築に反映する努力を続けました。その結果、「東王漢宮」や「大安国宅」などの作品が生まれ、台湾の建築界において重要な評価を受けることになります。

評価と受賞歴

李はその卓越した建築技術のため、数多くの栄典を受けています。1991年には行政院全国十大建築師奨を受賞し、2000年以降も数多くの賞が彼の作品に贈られています。台北101は特に、そのデザインが高く評価された結果、幾つかの国際的な建築賞を獲得しました。

結論

李祖原は、中華の伝統と現代建築の融合を体現した建築家として、台湾のみならず国際的にも影響力を持つ人物です。彼の作品は、台湾の都市景観を形成する重要な要素であり、今後もその影響は続くことでしょう。

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