「杏のAnytime Andante」(あんのエニータイム・アンダンテ)は、
ニッポン放送が制作し、NRN系列の全国8局で放送された
ラジオ番組です。俳優の杏さんがパーソナリティを務め、2011年
10月9日から
2015年9月27日まで、およそ4年間にわたって放送されました。
この番組の最大の特徴は、パーソナリティである杏さんが、自身のこれまでの人生で経験した出来事や、日々の暮らし、そしてプライベートの話題などを率直に語るトークパートと、その時のトーク内容や杏さんの気分に合わせた楽曲を選曲して紹介する構成にありました。番組名にある「Andante」(アンダンテ)は音楽用語で「歩くような速さで」を意味し、まさに杏さんの穏やかなペースで進むような、心地よい時間を提供する番組でした。
番組は、杏さんがイメージキャラクターを務めていた
三菱電機の一社提供でお送りされ、「
三菱電機プレゼンツ 杏のAnytime Andante」として親しまれました。また、放送されたトーク部分のみではありますが、ポッドキャスティングでの配信も行われており、こちらはゲストが出演した場合を除き、杏さんの単独トークが中心に編集されて配信されていました。これにより、リアルタイムでの聴取が難しい
リスナーも、手軽に番組を楽しむことができました。
ニッポン放送での放送時間は、番組開始当初は日曜日の遅い時間からスタートしましたが、その後、土曜日への移動や、放送時間の30分から1時間への拡大、再び日曜日へ戻るなど、複数回の変更がありました。それに伴い、ネット局との間に時間差が生じたり、
ニッポン放送が1時間放送していた時期にも、ネット局向けには内容を一部編集した30分バージョンが
裏送りされるなど、複雑な放送体制が取られていました。多くのネット局では、この番組を
テープネット形式で放送していました。
番組を彩るコーナーとして、「杏の部屋から」という、杏さんが
ギターの弾き語りで
リスナーに歌声を披露する人気コーナーがありました。開始当初は毎週放送されていましたが、後に月1回、そして不定期での放送となりました。ここでは、デビー・ブーンの「You Light Up My Life」や
カーペンターズの「Yesterday Once More」、さらには
本名陽子さんの「カントリー・ロード」日本語版、
吉田拓郎さんの「
結婚しようよ」、
エレファントカシマシの「今宵の月のように」など、国内外の幅広いジャンルの名曲が、杏さんの温かい歌声と
ギター演奏で届けられました。また、「ようこそ レコードルームへ」というコーナーでは、杏さんのレコードコレクションの中から、貴重な音源を紹介。童謡や
アニメソング、洋楽、邦楽、クラシックまで、多岐にわたるジャンルのレコードが取り上げられ、音楽的な造詣の深さを感じさせました。番組では、毎回設定されたテーマに沿ってトークや選曲が行われていました。
4年間の放送を終えた「杏のAnytime Andante」の後継番組としては、同じく
三菱電機が
スポンサーを務める、
戸田恵子さんの「
戸田恵子 オトナクオリティ」がスタートしました。
この番組は、杏さんの等身大の語りと、心に響く選曲、そして生演奏による歌唱コーナーなどを通して、多くの
リスナーに穏やかで豊かな時間を提供し続けました。