村上祐基

村上祐基氏は、1987年7月24日に広島県福山市で生まれた元プロ野球選手（内野手）です。現役引退後は野球指導者、そして実業家としても活躍の場を広げています。

アマチュア時代

村上氏は、地元の福山市で野球を始めました。小学校時代は「幕山少年野球クラブ」に所属し、野球の基礎を築きます。中学校では軟式野球チーム「東朋ライオンズ」でプレーを続けました。

高校は如水館高校に進学。3年生の時には、遊撃手としてチームを牽引し、学校にとって歴史的な出来事となる第77回選抜高校野球大会への初出場を果たしました。この大会では9番セカンドとして出場し、初戦の東筑紫学園高校戦では5対4で勝利を収めることに貢献しましたが、続く2回戦で羽黒高校に2対8で敗れ、大会を終えました。

高校卒業後、立正大学に進学しました。大学野球生活の集大成となる4年生時には、チームの一員として第40回明治神宮野球大会での優勝を経験しました。この優勝は、大学時代の輝かしい実績の一つとなりました。

独立リーグ時代

大学卒業後、村上氏は四国アイランドリーグの高知ファイティングドッグスに入団し、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。当初は三塁手としてプレーし、プロ1年目となる2010年には、その活躍が認められ、リーグのベストナイン（三塁手部門）に選ばれました。

その後、守備位置を遊撃手へと変更しました。このポジション転向後も安定した守備と打撃を見せ、2012年には再びベストナイン（遊撃手部門）に選出されるなど、チームの中心選手として活躍しました。

2013年シーズンには、選手間投票によってチームの主将に選ばれ、精神的支柱としてもチームを牽引しました。選手からの信頼が厚かったことがうかがえます。

独立リーグ最後のシーズンとなった2014年には、走塁面での才能を開花させ、31盗塁を記録し、見事リーグ最多盗塁のタイトルを獲得しました。この年、村上氏は再びベストナインにも選出され、攻走守にわたる活躍で自身のキャリアにおけるハイライトを飾りました。シーズン終了後、村上氏は任意引退という形で高知ファイティングドッグスを退団し、プロ野球選手としての区切りをつけました。

引退後の多岐にわたる活動

プロ野球選手としてのキャリアを終えた村上氏は、故郷である高知県に留まり、新たな分野でその才能を発揮しています。

2016年4月には、高知市内の建設会社であるミタニ建設工業株式会社に入社し、同時に同社の硬式野球部で内野手兼コーチとして再び野球に携わることとなりました。ここでは、自身の経験を若手選手に伝える指導者としての役割も担っています。また、これとは別に、同じ高知市内にあるバッティングセンター「ドーム23」の野球部にも所属しており、アマチュア野球選手としても活動を続けています。

野球界での活動と並行して、村上氏は実業家としての道を歩み始めました。2021年4月には、株式会社イタダキマスを設立し、自身でキッチンカーを運営して燻製カレーの販売を開始しました。これは、野球とは全く異なる分野への挑戦であり、その起業家精神を示しています。

さらに、村上氏は女子野球の発展にも貢献しています。2022年4月21日には、高知県内の企業が出資して設立された合同会社『四国に新幹線を』が運営する、高知県初の女子硬式野球クラブチーム「10 Carat Express」の初代監督に就任することが発表されました。プロ野球選手としての経験、社会人野球での指導経験を活かし、女子選手たちの育成に力を注いでいます。

村上祐基氏は、プロ野球選手としての実績に加え、社会人野球でのプレーと指導、飲食事業の立ち上げ、そして女子野球チームの監督就任と、その活動範囲は非常に広範にわたります。野球界、ビジネス界、そして地域社会において、多様な形で貢献を続けている人物と言えるでしょう。

タイトル・背番号

プロ野球（高知ファイティングドッグス）時代には、2014年に最多盗塁のタイトルを獲得しました。背番号は、高知ファイティングドッグスでは「1」（2010年 - 2014年）、ミタニ建設工業では「6」（2016年 -）、ドーム23では「8」をそれぞれ使用しています。

もう一度検索