村上裕幸

村上 裕幸（むらかみ ひろゆき）は、1971年1月14日に北海道苫小牧市で生まれた、日本の元アイスホッケー選手、および指導者である。現役時代はセンターフォワードとしてプレーし、身長183cm、血液型はO型だった。日本国内のみならず、チェコ、アメリカ、スウェーデンといった海外リーグでもプロとして活躍した、日本アイスホッケー史にその名を刻む選手の一人である。

選手経歴

アイスホッケーとの出会いは、小学校3年生の時。地元クラブチームで競技を始めた。

高校時代

高校は、アイスホッケー強豪校として知られる北海道苫小牧東高等学校へ進学。1年生の頃から主力として活躍し、最終学年ではチームの主将を務めた。高校在学中の1989年にはU20日本代表に初選出され、以後3年連続でアイスホッケーU20世界選手権に出場するなど、早くから将来を嘱望されていた。

大学時代

明治大学に進学すると、その才能はさらに開花する。関東大学リーグでは得点王や最優秀選手（MVP）といった個人タイトルを数多く獲得し、中心選手として活躍した。大学2年時および4年時には、ユニバーシアード日本代表に選出され、国際舞台でも存在感を示した。特に主将を務めた4年時には、全日本選手権において、当時日本リーグ（現在のアジアリーグ）に所属していた強豪・雪印を破るという、大学チームとしては歴史的な勝利を経験している。

プロキャリア（チェコ）

大学卒業後、村上は海外でのプレーを選択する。チェコの国内トップリーグであるエクストラリガの強豪、HCクラドノとのプロ契約を勝ち取り、アジア人選手としては初めてこのリーグでプレーする「エクストラリーガー」となった。さらに、エクストラリガにおいてアジア人として唯一ゴールを記録するという金字塔を打ち立てた。その活躍はチェコ国内でも高く評価され、彼のホッケーカードが流通するほどの知名度を得た。所属した1993-94シーズン、HCクラドノはリーグ戦で1位となり、プレーオフでも3位に入賞。この結果、村上は第1回チェコエクストラリガにおけるブロンズメダルキャリアの一員となった。

帰国後（古河電工、日本代表）

チェコでの挑戦を終え帰国した村上は、1994年から1999年にかけて、日本リーグの古河電工アイスホッケー部に所属した。ここではチームのエースとして目覚ましい活躍を見せた。その実力は日本代表首脳陣の目に留まり、1995年のモンブランカップを皮切りに日本代表に選出される常連となった。世界の強豪が集まるアイスホッケー世界選手権（トップディヴィジョン）には1999年と2001年に出場。また、1999年に韓国で開催された冬季アジア大会では、日本代表の主軸としてチームを牽引し、銀メダル獲得に貢献した。2001年の世界選手権アジア予選では、日本代表選手の中で得点王とMVPを同時に獲得するなど、国際大会においても傑出した成績を残した。

再度の海外挑戦

1999年、所属していた古河電工アイスホッケー部が廃部となったことに伴い、村上は再び海外でのプレー機会を模索した。チェコ（HC 99Melnik）、アメリカ（Macon Whoopee）、スウェーデン（Huddinge ik）と、国をまたいでプロ選手として活動を続けた。様々なスタイルのホッケーを経験することで、選手としての幅を広げた。

日本への帰還と引退

再び日本へ戻った村上は、2001-02シーズンに札幌ポラリスでプレー。2002年に開催された第1回アイスホッケーオールスターゲームにも選出されている。そして、2002年に現役生活にピリオドを打った。

学歴

競技生活と並行して学問にも取り組み、明治大学法学部法律学科を卒業している。さらに、現役引退後の2011年には、北海道教育大学大学院修士課程を修了し、教育学修士の学位を取得した。

まとめ

村上裕幸は、小学生からトップリーグ、そして海外プロリーグに至るまで、長きにわたりアイスホッケー界の第一線で活躍した選手である。特に、アジア人初のチェコトップリーガーとして道を切り開き、日本代表としても輝かしい実績を残した功績は大きい。引退後は指導者としても後進の育成に携わり、日本のアイスホッケーの発展に貢献している。

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