ユニバーシアード

FISUワールドユニバーシティゲームズについて

FISUワールドユニバーシティゲームズは、世界中の大学生スポーツ選手が集まり競技を行う、国際大学スポーツ連盟主催の大規模なスポーツイベントです。このイベントは、一般に「学生のためのオリンピック」と呼ばれ、多くの国から学生が参加します。大会は夏季と冬季に分かれて開催されており、1959年にイタリアのトリノで初めて夏季大会がスポーツの祭典として行われました。続いて1960年にはフランスのシャモニーで初の冬季大会が開催され、その後も継続的に行われています。

今回の大会名変更については、2023年に行われたレークプラシッド冬季大会から正式に「ワールドユニバーシティゲームズ」へと改称されました。元々は2021年に予定されていた成都での夏季大会から、この名前を用いる予定でありましたが、開催年が変更されたことにより先延ばしとなりました。ユニバーシアードの名称は、大学を指す「University」とオリンピックを意味する「Olympiad」を組み合わせたものであり、他国では「World University Games」や「World Student Games」とも称されています。

開催の意義

この大会の主な目的は、大学スポーツの振興や体育教育の重要性を広めることです。大会はオリンピックの前後の年に交互に開催され、学生スポーツへの関心を高める重要な役割を担っています。日本でも1967年の東京大会、1985年の神戸大会、1995年の福岡大会、そして1991年の札幌冬季大会において開催され、国内の学生選手たちに貴重な国際経験の機会を提供してきました。また、オリンピックの非開催年には「世界大学選手権」が単独で実施される競技も存在し、この大会が学生スポーツ全体に与える影響が大きいことが伺えます。

競技と参加資格

各大会では、必須競技と選択競技が存在し、最低限実施される競技のほかに、開催国が自由に競技を選定することができます。参加資格については、大会が開催される年の1月1日現在で17歳以上28歳未満であり、大学や大学院に在籍している学生、または前年度に卒業した学生が対象です。プロ選手やアマチュア選手も参加が可能であり、過去にはプロテニス選手である遠藤愛さんが出場した実績もあります。

歴史的背景

この大会のルーツは、1939年までさかのぼります。当時、国際大学スポーツ週間が行われていましたが、第二次世界大戦の影響で中断を余儀なくされました。戦後には、国際大会の開催への期待が高まるものの、冷戦の影響から西側と東側が別々に競技大会を開催する状況が続きました。西側は「国際大学スポーツ週間」を続け、1955年まで4回開催。一方、東側は「世界青年学生祭典」を開き、それに対抗したのです。両陣営の歩み寄りがあった1957年のジュネーヴ会議以降、1959年にはトリノで初めての「ユニバーシアード」が実施されることになります。

このように、FISUワールドユニバーシティゲームズは只のスポーツイベントではなく、学生同士が国境を越えて交流し、友情を深める場としても重要な役割を果たしています。

もう一度検索