村井資長(むらい すけなが)の人物と業績
村井資長は、
1909年11月22日に生まれ、
2006年3月31日に96歳で亡くなった日本の
工学者です。
早稲田大学名誉教授として知られ、教育界においても多くの功績を残しました。特に、彼は
早稲田大学第10代総長を務めた他、
早稲田奉仕園第6代理事長や
恵泉女学園大学初代学長としても活動しました。また、彼はキリスト教
プロテスタント信者で、家族として次男の
村井吉敬が
早稲田大学の客員教授を務めていました。
村井は、
北海道茅部郡石倉村で農場経営を行う日野西家に生まれました。日野西家は
京都の堂上華族に属しており、裕福な家庭環境で育ちました。幼少期に父親が朝鮮に赴任したため、彼も現地の小学校に通いました。その後、
岡山県で生活し、高梁中学校を経て東京の私立高千穂中学校に進みました。中学在学中に肋骨炎を患い、長期間の療養を余儀なくされました。
村井家との縁は、叔母が村井吉兵衛と結婚したことから始まりました。村井家は当時、
タバコ事業で成功を収めていた新興財閥であり、村井はその家に婿入りする形で結婚しました。
早稲田大学理工学部応用化学科を卒業した後、大学院で修士と博士課程を修了しました。
1948年には
早稲田大学理工学部の助手としてキャリアをスタート。その後、専任講師、助教授を経て
1954年に教授に就任し、さらに大学の理事や総長を歴任しました。総長としては、
早稲田大学の100周年記念事業の一環として新キャンパス造成や新学部設置を推進しました。
一方で、彼の大学総長としての任期中には、学生との対立も生じました。代表的なのが1972年の早大リンチ殺人事件をきっかけに発生した学生運動です。村井氏はこの際、授業中に授業を妨害されるという事態に遭遇しました。事件後には、自らの別荘地を大学に提供し、被害者の母親を館長にした「川口記念セミナーハウス」の建設が進められましたが、後にこのことが波紋を呼び、
名誉棄損の訴訟に発展したこともありました。
村井はその後も多くの教育関連組織に携わり、高い評価を受けることになります。
1990年には勲一等瑞宝章を受章し、
1995年には「さわやか国民会議」の発起人の一人となるなど、教育界の発展に寄与し続けました。
彼の著作としては、大学制度に関する提言や、教育の在り方についての議論を zbir。その中で、大学改革の重要性を訴え、自身の経験に基づく考えを提言しました。村井資長は、教育者としてだけでなく、実業界ともつながりを持ち、数多くの流派を超えた学者や評論家らと連携し、活動の幅を広げました。
2006年に肺炎で亡くなるまで、彼はその生涯を通じて教育界に多くの影響を与え、後進の育成に努めました。村井資長の業績は、今なお、多くの人々に評価され、記憶されています。