日野西家

日野西家：名門公家から華族子爵家への歴史

日野西家は、悠久の歴史を誇る名門公家であり、華族としての栄光を手にした家系です。そのルーツは、藤原北家日野流広橋家に遡ります。家紋は鶴丸。公家としての格式は名家、華族としては子爵家の家格を有していました。

南北朝時代から江戸時代へ：興亡と再興

日野西家の起源は、南北朝時代末期にまでさかのぼります。日野時光の三男、資国（贈・左大臣）によって創設されたのが始まりです。資国の妹は足利義満将軍の正室であったことから、その影響力も大きかったと推察されます。しかし、資宗の子である朝光が夭折したため、一時的に家系は途絶えてしまいます。

江戸時代に入ると、広橋総光の三男、総盛が日野西家を再興しました。江戸時代の所領は200石と比較的規模は小さかったものの、着実に家系を維持していきました。国立歴史民俗博物館の『旧高旧領取調帳データベース』によれば、幕末の日野西家領は山城国葛野郡上桂村の一部200石であったことが確認できます。

明治維新と華族制度：子爵位への叙爵

明治維新後、日野西家は華族に列せられました。明治政府により定められた家禄は現米289石2斗。明治9年には、金禄公債証書発行条例に基づき、家禄と引き換えに1万3101円2銭3厘の金禄公債が支給されています（華族受給者中310位）。

明治17年、華族令の施行により華族の爵位が五爵制になると、光善が子爵に叙せられました。光善は平安神宮などの宮司を務めた後、貴族院の子爵議員として政治にも関与しました。

昭和時代：宮内省への奉職と京都の邸宅

2代子爵の日野西資博は宮内省に奉職し、侍従、宮内事務官、内匠寮京都出張所所長、宮中顧問官などを歴任しました。華族としての地位を維持しつつ、政府機関において重要な役割を果たしたことがわかります。昭和前期には、日野西子爵家の邸宅は京都府京都市上京区上賀茂壱町に存在していました。

日野西家が登場する作品

日野西家は、歴史小説や漫画などにも登場し、その名を知られています。例えば、漫画『公家侍秘録』では、主人公が仕える家として日野西家が設定され、物語の重要な舞台となっています。

まとめ：歴史と文化の継承

日野西家は、南北朝時代から現代まで続く歴史を持つ名門家系です。公家としての伝統、華族としての栄光、そして宮廷や政府における貢献は、日本の歴史に深く刻まれています。その系譜や歴史的役割は、現代においても研究対象として注目されており、日本の歴史文化を理解する上で重要な存在と言えます。今後の研究により、より詳細な歴史が明らかになることが期待されます。

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