村井長頼

村井長頼（むらい ながより）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将で、前田家の家臣として知られています。本姓は平氏で、家紋は丸ノ内上羽蝶を用いていました。通称として又兵衛、長八郎、豊後守を名乗り、嫡男には村井長次がいます。

生涯

天文12年（1543年）に生まれた長頼は、初め織田氏家臣であった前田利久に仕えていました。永禄2年（1559年）から永禄4年（1561年）にかけて、利久の弟である前田利家が織田家を追放された際には、長頼もそれに従いました。永禄12年（1569年）に、織田信長の命により利久に代わって利家が前田家を継ぐと、長頼はそのまま利家の家臣となります。

長頼は常に戦場において利家と共に行動し、幾度もその身を盾として主君を救いました。その忠誠心から、利家は長頼の通称である又左衛門から「又」の字を与え、その信頼の厚さを示しました。石山本願寺攻め、金ヶ森城攻め、長篠の戦いなど、数々の戦で武功をあげています。

利家が加賀国に封じられ大名となると、長頼は家老に任じられ、奥村永福らと共に加賀藩の基礎を築きました。慶長4年（1599年）に利家が死去すると、長頼は隠居しましたが、加賀征伐を企図した徳川家康に対し、前田利長が母である芳春院を人質として差し出すと、長頼も芳春院に従い江戸に下りました。慶長10年（1605年）10月26日、江戸にて63歳でその生涯を閉じました。

人物

長頼は、前田利家から「髭殿」と呼ばれるほど立派な髭を蓄えていたと伝えられています。この特徴的な風貌は、彼の人となりを物語るエピソードの一つです。

関連作品

村井長頼を題材とした作品には、以下のものがあります。

ドラマ
女たちの百万石：長門裕之が演じました。
加賀百万石〜母と子の戦国サバイバル：石倉三郎が演じました。
利家とまつ〜加賀百万石物語〜：的場浩司が演じました。

小説
砂原浩太朗著『いのちがけ　加賀百万石の礎』講談社、2018年

関連項目

* 松根城

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