村井雄

村井雄(むらい ゆう)氏は、1978年5月28日生まれの脚本家、演出家である。劇団KPR／開幕ペナントレースの主宰も務める彼は、千葉県立船橋高等学校、法政大学法学部法律学科を卒業後、目黒区役所で公務員として勤務。その後、2006年にKPR／開幕ペナントレースを旗揚げした。

彼のキャリアは、国内にとどまらない国際的な活躍によって彩られている。2009年には、ニューヨーク公演で発表した作品『ROMEO and TOILET』が、ニューヨーク・タイムズ紙でレビューされる快挙を成し遂げた。2015年から2018年にかけては、5カ国を巡る海外ツアーを実施し、各国のメディアから高い評価を得ている。その実績は劇団のウェブサイトで確認することができる。2019年には、アメリカ・ニューヨークのジャパン・ソサエティーより正式招聘を受け、公演は地元メディアからも絶賛された。さらに2024年には、同ジャパン・ソサエティーのUnder The Radar Festivalに正式参加、再び高い評価を得ている。

国内での活動も多岐にわたる。2021年には、東京パラリンピック閉会式でAFTER THE GAMESパートのディレクターを務め、世界的な舞台で手腕を発揮した。また、『タイタンの学校』講師としての活動も行っている。

舞台作品においては、演出や脚本、作詞など、幅広い分野で才能を発揮している。代表的な作品として、舞台『北斗の拳 -世紀末ザコ伝説-』の演出、『RICE on STAGE「ラブ米」』シリーズの脚本・演出・作詞、『からくりサーカス』シリーズの演出、『ゾンビランドサガ Stage de ドーン！』の脚本・演出、『日の名残り』の上演台本・演出など、数多くの作品でその才能を遺憾なく発揮している。2023年だけでも、『SK∞ エスケーエイト The Stage』、『おそ松さん 2nd SEASON』など、話題作への参加が目立つ。さらに、近年では『青山オペレッタ THE STAGE』シリーズ、『デッドロックド・ディテクティヴズ』シリーズなど、継続的に人気シリーズを手がけていることも注目に値する。

多様なジャンルの作品に携わる村井氏の才能は、舞台劇にとどまらない。2023年4月にはアニメ『彼女が公爵邸に行った理由』の脚本を担当、2024年10月にはアニメ『ハイガクラ』のシリーズ構成を務めるなど、その活躍はますます広がりを見せている。

彼の才能は高く評価されており、数々の賞を受賞している。2012年と2016年には日本演出者協会主催若手演出家コンクールで優秀賞と観客賞をW受賞。2013年には舞台芸術財団演劇人会議主催利賀演劇人コンクール奨励賞、2014年には世田谷区芸術アワード “飛翔” 舞台芸術部門を受賞するなど、その功績は広く認められている。また、2016年には第7回せんがわ劇場演劇コンクール演出賞を受賞した。

村井雄氏は、脚本家、演出家として、そして劇団主宰者として、国内外で活躍を続ける稀有な存在である。彼の今後の活動から目が離せない。

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