目黒区役所

目黒区役所について

目黒区役所は、東京都目黒区の行政を担う施設であり、区民の生活に密接に関わる様々な業務を行っています。現在の庁舎は、かつて千代田生命保険（現ジブラルタ生命保険）の本社ビルとして使用されていた建物を改修したものです。この建物は、建築家・村野藤吾氏の設計によるもので、その特徴的なデザインは多くの人々を魅了しています。

庁舎の特徴

現庁舎は、1966年に竣工した旧千代田生命保険本社ビルを転用したものです。村野藤吾氏による設計で、特に外壁の白色アルミ鋳物製ルーバーは、その規模において日本初とされています。このルーバーは、村野氏が八幡製鉄所での研究経験を活かし、おがくずを利用して独特のざらざら感を演出したという逸話が残っています。

1969年には、その優れたデザイン性が評価され、BCS賞（第10回）を受賞しました。玄関の大ひさしや、それを支える柱もアルミ製で、軽やかな印象を与えます。

千代田生命保険が経営破綻した後、目黒区がこの建物を取得し、2002年から2003年にかけて大規模な改修工事を実施しました。旧庁舎の老朽化と手狭化に対応するため、区役所の機能を移転しました。

旧庁舎の建物は、完全移転後もしばらく残っていましたが、その後、中央町さくらプラザとして建て替えられました。現在は、目黒区中央町社会教育館や五本木区民センターが併設されています。

庁舎内には、目黒区保健所や東京都目黒都税事務所も入居しており、区民の生活に必要な様々な手続きや相談が可能です。

エントランスルームは、柱の位置を片側のみ室内にするという非対称なデザインが特徴です。水盤が設置され、吸音効果も担っています。また、天井には、作家・作野旦平氏によるタイルアートが施されています。柔らかく軽やかな印象を与える螺旋階段は、「階段の魔術師」とも呼ばれる村野氏の代表作の一つです。

敷地内には、旧生保の社員向け福利厚生施設として作られた和式庭園と茶室もあります。当時、コンクリート造の中に木造建築を作ることは困難だったため、鉄筋構造で茶室全体が設計され、錆の演出を施した垂木などが用いられています。

アクセス

目黒区総合庁舎本館・別館へのアクセスは以下の通りです。

東急電鉄 東横線、東京メトロ 日比谷線：中目黒駅から徒歩5分
東急バス：目黒区総合庁舎前下車（渋71：渋谷駅～洗足駅、恵32：恵比寿駅～用賀駅）
目黒区地域交通バス さんまバス：目黒区総合庁舎下車（目黒駅前～目黒区総合庁舎）

不祥事

2017年12月には、健康福祉部生活福祉課の男性職員が、生活保護受給者の預金や心身障害者福祉手当を不正に引き出し、444万1276円を着服するという事件が発生しました。この男性職員は、12月5日付で懲戒免職処分となっています。

関連項目

東京都庁
東京23区

外部リンク

目黒区総合庁舎における建築家村野藤吾氏の建築意匠概要 - 目黒区

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