村山又三郎

村山又三郎（むらやま またさぶろう）は、江戸時代から明治時代にかけて存在した、歌舞伎役者および江戸村山座の座元としての名跡です。

初代 村山又三郎

初代村山又三郎は、泉州堺の出身で、1605年から1652年まで生きた人物です。1636年から1652年までは村山座の座元を務めました。彼は、京都で座元をしていた村山又兵衛の弟にあたります。

1634年（寛永11年）に、江戸の葺屋町に村山座の櫓を上げ、劇場を開設しました。この村山座は、後に三代目市村宇左衛門に買収され、市村座として発展することになります。この功績から、初代村山又三郎は、後に「初代市村宇左衛門」を追贈されました。彼の創設した村山座は、江戸歌舞伎の発展に大きく貢献しました。

二代目 村山又三郎

二代目村山又三郎は、1862年から1881年まで生きた人物です。彼は市村宗家の一族である六代目福地茂兵衛の子として生まれました。1872年から1874年まで村山座の座元を務めました。

明治5年（1872年）、十代目市村羽左衛門が市村座の興行権を手放したのを機に、村山座を復興させようとしました。しかし、経営がうまくいかず、わずか2年後に村山座は廃座となってしまいました。その後、二代目村山又三郎は役者として活動しましたが、若くして亡くなりました。

二代目村山又三郎は、後に坂東龜三郞（ばんどう かめさぶろう）と名乗っています。彼が復興を目指した村山座は、短期間で幕を閉じましたが、その試みは、江戸歌舞伎の歴史において重要な出来事として記録されています。

このように、村山又三郎の名跡は、江戸時代から明治時代にかけて、歌舞伎界に大きな影響を与えた人物たちによって受け継がれてきました。初代の劇場創設、そして二代目の劇場復興への挑戦は、日本の演劇史における重要な一幕と言えるでしょう。

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