村山祥栄

村山 祥栄（むらやま しょうえい）は、1978年（昭和53年）2月7日、京都市左京区に生まれた日本の政治家です。

初期キャリアと京都市議会議員当選

マクリン幼稚園、京都市立下鴨小学校、東山中学校・高等学校を経て、専修大学法学部を卒業しました。大学時代には早稲田大学の政治サークル鵬志会に所属し、当時民主党所属の衆議院議員だった松沢成文氏の秘書を務めました。大学卒業後、日経ビジネスで高く評価されていた企業の一つである株式会社リクルートに入社。ビジネス全体で通用するスキルを身につけることを目指し、約2年8ヶ月勤務し、7期連続で表彰を受ける活躍を見せました。

2002年（平成14年）にリクルートを退社。翌2003年（平成15年）4月13日に行われた京都市議会議員選挙に左京区から無所属で立候補し、初当選を果たします。当時25歳2ヶ月での当選は、京都市政史上最年少記録でした。2007年（平成19年）4月8日の市議選では、候補者が増加した激戦区である左京区において、約2780票差をつけて8851票を獲得しトップ当選。この選挙期間中には、選挙資金の収支状況を毎日公開するという透明性の高い活動を行いました。

京都市長選挙への挑戦

2008年（平成20年）2月には京都市長選挙への出馬を決意。これに伴い、市議会議員の職を自動的に失職しました。市長選では8万4750票（得票率19.9％）を獲得しましたが、候補者4人中3位で落選しました。この選挙では門川大作氏が当選しましたが、村山氏の立候補により非共産系候補の票が分散し、共産党推薦候補に僅差まで迫られる結果となりました。市長選後、同年10月からは京都産業大学法学部の非常勤講師に就任。「政策立案実務研究」の講義を担当し、学生が条例案を構想して山田啓二京都府知事へのプレゼンテーションを行うなど、教育活動にも従事しました（2011年3月まで）。

地域政党京都党の設立と活動

2010年（平成22年）8月26日、地域政党「京都党」を設立し、その代表に就任しました。2011年（平成23年）の京都市議選では左京区から京都党公認候補として立候補し、京都市議選で過去最多となる1万2529票を獲得して再びトップ当選を果たします。2015年（平成27年）4月の市議選でも京都党公認で立候補し、7130票を得て4期目の当選、3期連続のトップ当選となりました。

同年12月、2016年2月の京都市長選挙に向け、京都党と京都維新の会の統一候補としての立候補を検討しましたが、出馬に伴う市議辞職により京都党が議会での交渉会派資格を失う可能性があったことから断念しました。この経緯を受け、党代表を辞任。後任には江村理紗市議が選出されました。2016年（平成28年）8月には江村氏の任期満了に伴い、再び党代表に選出されています。

政策提言と受賞

村山氏は、京都市の財政課題や観光インフラ整備費用の確保策として、法定外目的税の導入を提唱しました。特に、欧州の事例を参考に、ホテルの格付けに応じた段階的な宿泊税の導入を提案。イタリアのミラノ市での現地調査報告などが評価され、2016年には同僚議員と共に第11回マニフェスト大賞の「政策提言賞」優秀賞を受賞しました。この提言は市議会での議論を経て、2017年（平成29年）9月議会で宿泊税条例案が可決・成立に至りました。

また、京都市内の交通渋滞解消策として、地下鉄の新型環状線整備構想を提案。整備資金を民間との共同出資で賄い、返済原資に宿泊税を充てることで住民負担を抑え、さらに水道管工事で用いられるシールドトンネル工法の応用や駅舎・電車の簡素化・無人化によるコスト削減を図る具体策を示しました。この構想も評価され、2019年には同僚議員と共に第14回マニフェスト大賞の「政策提言賞」優秀賞を受賞しています。2019年（平成31年）4月の市議選では、7093票を獲得し5期目の当選を果たしています。

再度市長選挙への挑戦、政治資金問題

2019年（令和元年）10月13日、2020年（令和2年）2月に行われる京都市長選挙に無所属で立候補する意向を表明。長年続いた「非共産対共産」という対立構図に変化をもたらす可能性が注目されました。同月15日には京都党を離党。選挙戦では構図脱却を訴えましたが浸透せず、3人中3位で敗れました（得票数9万4859票、得票率20.3%）。

2023年11月27日、日本維新の会、国民民主党京都府連、京都党などの推薦を受け、無所属で3度目の京都市長選挙出馬を表明しました。しかし、2024年1月中旬、過去の政治資金パーティーについて、参加者がほとんどいない実態を伴わないものだった可能性が一部で報じられました。村山氏本人はこれを否定しましたが、当時、自民党派閥の裏金問題が社会的な関心を集めていた状況も影響し、推薦を決定していた各党は相次いで推薦を取り消しました。

村山氏は1月13日の記者会見で、前年12月から1月にかけて計9回のパーティーを企画したが、うち8回は来場者がなく開催を見送ったと説明。未開催となった8回のパーティー券約1100枚（1枚2万円）は全額返金対応としたことを明らかにしました。各党の推薦取り消し後も、有権者の選択肢を狭めたくないとして市長選からの撤退はしない意向を示しました。しかし、2月4日の市長選挙では、自民・公明・立憲・国民の4党が推薦した松井孝治氏に敗れました。

政治資金規正法違反容疑での告発がありましたが、2024年6月11日、京都地方検察庁は寄付受領の事実認定が困難であるとして不起訴処分としました。

その後の動向

2025年3月31日、日本維新の会は次期参議院議員通常選挙の比例区候補として村山氏を擁立することを発表しました。党代表である吉村洋文大阪府知事は、過去の推薦取り消し経緯を踏まえ、「二度と政治資金での問題を起こさない」とする誓約書を交わしたと説明しました。

村山氏は、全国地域政党連絡協議会の顧問や、地域政党「きずな庄原」のアドバイザーも務めています。

著書

『京都・同和「裏」行政 京都市会議員がみた「虚構」と「真実」』（講談社＋α新書、2007年）
『地域政党』（光村推古書院、2013年）
『地方を食いつぶす「税金フリーライダー」の正体 : タカリと粉飾の日本病』（講談社＋α新書、2015年）
『京都が観光で滅びる日 - 日本を襲うオーバーツーリズムの脅威 -』（ワニブックスPLUS新書、2019年）

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