村橋勝子

村橋勝子氏は、専門図書館司書、そして社史研究家として多岐にわたる分野で顕著な業績を残しています。鹿児島県鹿児島市出身で、1966年に経済団体連合会事務局に入局して以来、図書館運営業務に一貫して従事しました。その間、図書館部調査役、年史グループ長、情報メディアグループ長といった要職を歴任し、2009年に退職するまで、組織の中核を担いました。

図書館運営業務に携わる傍ら、村橋氏は専門図書館に関わる様々な団体でも重要な役割を果たしました。専門図書館協議会では委員や幹事を務め、日本図書館協会では評議員、東京都図書館協会では理事、企業史料協議会では理事として、業界の発展に尽力しました。これらの活動を通じて、図書館界における知識や情報の共有、専門性の向上に大きく貢献しました。

また、村橋氏は社史研究家としても卓越した才能を発揮しました。業務の傍ら、社史調査や社史作成、参考調査に関わる論文や書籍を多数執筆。2016年8月から2021年7月にかけては、日本政策金融公庫の『調査月報』にて「社史から読み解く経営戦略」を連載し、企業経営における歴史の重要性を広く啓蒙しました。これらの活動を通じて、企業の歴史的背景を踏まえた経営戦略の重要性を指摘し、社史の新たな価値を創造しました。

村橋氏の業績は、数々の受賞歴にも裏付けられています。1998年には第7回女性のための研究奨励賞、2004年には第6回図書館サポートフォーラム賞を受賞し、その功績が広く認められました。

著書には、『社史の研究』(ダイヤモンド社、2002年)、『にっぽん企業家烈伝』(日本経済新聞出版社、2007年)、『カイシャ意外史 : 社史が語る仰天創業記』(日本経済新聞出版社、2008年)、『情報便利屋の日記 : 専門図書館への誘い』(樹村房、2016年)などがあり、これらの著作を通じて、社史の面白さ、重要性を世に広めました。

村橋勝子氏は、専門図書館司書としての実務経験と、社史研究家としての深い知識を融合させ、図書館界、社史研究界双方の発展に大きく貢献した人物として、その功績は高く評価されています。

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