村田治郎

村田治郎について

村田治郎（むらた じろう）は、1895年に山口県で生まれ、1985年に逝去した日本の著名な建築史家である。彼は京都大学や明石工業高等専門学校で名誉[[教授]]として活躍し、東洋建築史の権威として国際的な評価を得た。

経歴

村田は、大島郡で幼少期を過ごし、中学校に進学する際に兵庫に引っ越した。1912年には兵庫県立第一神戸中学校に入学し、その後第一高等学校に進んで1920年に卒業する。この年、京都帝国大学工学部建築学科に入学し、翌1923年に卒業、兵役を経て様々な研究活動に身を投じることとなった。

戦前の活動

卒業後、村田は南満州鉄道株式会社に入社し、大連に赴任した。この期間中、彼は満州の各地にある建築物や遺跡の現地調査を行い、研究成果を「満州における回教寺院建築史の研究」や「東洋建築史系統史論」として発表した。1936年には、欧米の建築史や教育システムを調査するために研究出張を行い、1937年には京都帝国大学の講師に昇進、その後教授に昇格した。

戦後の活動

戦後、彼は戦前に行った調査の成果を整理し、京都大学から『居庸関』を出版。また、地域間の建築文化交流をテーマにした『東洋建築学』をまとめ上げた。彼は1955年に建築研究協会を設立し、文化財専門審議会などさまざまな役職を務めた。1962年から1971年にかけて明石工業高等専門学校の初代校長を務め、教育にも貢献した。

文化財保護と研究

村田は文化財の保護と修復に力を注ぎ、特に平等院鳳凰堂や桂離宮の整備事業に携わった。法隆寺に関する新しい研究も行い、その建築様式や修理の再出発に尽力した。彼の業績は学界だけでなく、文化財保存の新しい制度の実施にも大きな影響を与えた。

著作と受賞歴

村田は多くの論文を発表し、著書や共編著も手掛けた。彼の研究は、特に中国建築に焦点を当て、東アジアの建築文化交流に新たな視点を提供した。彼の業績は高く評価され、1941年に建築学会賞、1966年に勲二等瑞宝章などの栄誉を受けた。

まとめ

村田治郎は、東洋建築史の研究と文化財の保護に尽力した学者として、日本だけでなく国際的にも広く認知されている。彼の業績は、建築学の発展に寄与し、多くの後進に影響を与えた。90歳で亡くなるまで、彼の仕事は日本の建築保存の基盤を築くものとなった。彼により、東アジアの建築文化の理解が深まり、その貢献は今なお評価されている。

もう一度検索