村野鐵太郎

村野鉄太郎 - 日本の映画監督

村野鉄太郎（むらの てつたろう）は、1929年8月18日に鹿児島県鹿児島市大黒町で生まれ、2020年7月8日にこの世を去りました。彼は日本映画界において、多くの重要な作品を手がけた映画監督として知られています。

経歴

村野は当初、東京商船大学に進学する予定でしたが、ジャン・ルノワールの名作「大いなる幻影」を鑑賞したことがきっかけで、早稲田大学に進むことを決意しました。大学では、篠田正浩や和田勉といった後の映画界を代表する人物たちと同期でした。

大学卒業後、彼は大映に入社し、最初は東京撮影所の企画部に配属されました。その後、助監督部に移引き、溝口健二、増村保造らの作品で経験を積みました。1960年には、彼自身の監督デビュー作「青い嵐」を発表し、後に「闇を裂く一発」の監督を最後に大映を離れることになります。大映退社後は、石原裕次郎を主演に迎えた「富士山頂」で監督としての活動を続けました。

実績と受賞歴

1979年、村野は映画「月山」により、芸術選奨文部大臣賞を受賞しました。この映画は日本国外でも評価され、アカデミー外国語映画賞の日本代表として選出されています。さらに、1995年には紫綬褒章を受章し、その功績が広く認められました。

主な作品

村野の作品は多岐にわたりますが、特に以下の作品が知られています：

• - 「泣き笑い地獄極楽」（浜野信彦監督）※原案
• - 「母笛子笛」（斎村和彦監督）※原作
• - 「雪の降る街に」
• - 「視界ゼロの脱出」
• - 「ごろつき犬」
• - 「夜の勲章」
• - 「鉄砲犬」
• - 「銭のとれる男」
• - 「ごんたくれ」
• - 「早射ち犬」
• - 「夜の縄張り」
• - 「闇を裂く一発」（1968）
• - 「富士山頂」（1970）
• - 「男一匹ガキ大将」※監督・脚本
• - 「鬼の詩」※製作・監督・脚本（1975）
• - 「月山」※製作・監督
• - 「遠野物語」※製作・監督（1982）
• - 「国東物語」※製作・監督
• - 「トリナクリア PORSCH959」※製作・監督
• - 「上方苦界草紙」※製作・監督
• - 「KOYA澄賢房覚え書」※製作・監督

彼の作品は、強い人間ドラマと独自の視点で描かれた物語が特徴で、観る者に深い感情を抱かせます。日本映画の歴史にその名を刻む村野鉄太郎は、今なお多くの映画ファンに影響を与え続けています。彼の遺した作品は後世に引き継がれ、研究されることで、映画という芸術の発展に大いに貢献していくことでしょう。

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