杖衝坂

杖衝坂について

杖衝坂（つえつきざか）は、三重県四日市市采女にある東海道の急坂で、国道1号沿いの旧東海道に位置しています。この坂は特にヤマトタケルにまつわる歴史があり、三重県の名前の由来ともなっています。場所は四日市宿と石薬師宿の中間にあたります。

由来の伝説

この急坂には、ヤマトタケルが東征の帰り道での出来事が深く関係しています。彼は伊吹山の神との戦いで病に倒れ、疲れきった体を引きずりながら故郷大和へと向かいました。その際、剣を杖にしてこの急坂を登ったと伝わります。彼は「吾足如三重勾而甚疲」という言葉を残し、足がまるで三重に折れ曲がったかのようにとても疲れたと表現しました。このエピソードが「杖衝坂」という名や「三重」の由来となっているのです。

文人の足跡

さらに、杖衝坂は貞享4年（1687年）に松尾芭蕉が訪れた際にも注目されています。彼は江戸から伊賀への帰り道に落馬し、その体験を俳句として詠みました。"歩行（かち）ならば杖衝坂を落馬かな"という句は、この坂の特異な地形と歴史を感じさせます。

近隣の観光スポット

杖衝坂周辺にも歴史的な名所や文化的な施設が点在しています。1756年には松尾芭蕉の句碑が建立され、彼の業績をしのぶ場所となっています。また、1811年には永代常夜灯が設置され、地域住民や訪れる観光客に親しまれています。さらに、血塚社は日本武尊が出血した足を洗い流した場所として語り継がれており、訪れる人々に神聖な意味を持つスポットです。

内部川には東海道五十三次のポケットパークがあり、歴史を訪ねる散策にぴったりの場所です。

関連するエピソード

杖衝坂の伝説は、ヤマトタケルや三重県といった日本史上の重要な人物や地域と深く絡んでいます。また、長野県にある杖突峠も少し似た名前を持ち、自然の中での歴史を垣間見ることができます。

これらの要素を踏まえ、杖衝坂は歴史を学ぶうえでとても貴重なスポットであり、訪れる人々にとって忘れられない体験を提供しています。

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