来宮神社 (伊豆市八幡)

八幡来宮神社について

八幡来宮神社（はつまきのみやじんじゃ）は、静岡県伊豆市八幡に位置する神社です。他の来宮神社と区別するため、地名を冠して八幡来宮神社とも呼ばれています。この神社は、地域の人々にとって重要な存在であり、歴史と自然が調和した場所として親しまれています。

歴史

神社の歴史は古く、南北朝時代の貞和年間（1345年～1349年）に荒廃していた社殿が再建されたと伝えられています。以来、この地域、特に旧中伊豆町地区の大部分を占める大見16村の総鎮守として、地域住民の信仰を集めてきました。

この神社の興味深い点は、地名に「八幡」を持つ場所に「来宮神社」が建立されたという点です。これは、近隣の伊東市八幡野にある八幡宮来宮神社と共通する構造を示しており、この地域におけるキノミヤ信仰の広がりを物語っています。

また、『神名帳考証土代』などの文献では、式内社の「杉桙別命神社」の論社としても名前が挙がっており、河津町の川津来宮神社と共にその候補とされています。さらに、北西の近隣地区には、別の式内社「大朝神社」の論社である大宮神社も存在しており、この地域が古代から重要な場所であったことを示唆しています。

景観

神社の参道は、道路と田んぼの狭間に設けられており、その入り口には市の天然記念物に指定されている巨大な大杉がそびえ立っています。この大杉は、神社の神聖な雰囲気を一層高めており、訪れる人々に深い印象を与えます。この独特な景観は、他の神社ではなかなか見られないもので、八幡来宮神社を特別な場所として際立たせています。

祭神

八幡来宮神社の祭神は、五十猛命（いそたけるのみこと）です。五十猛命は、日本神話に登場する神様で、木の神、あるいは航海の神として知られています。この神様を祀ることで、地域の人々は自然の恵みと安全を祈願してきたと考えられます。

文化財

この神社には、市指定文化財である山車が保存されています。また、境内にある大杉も「八幡来宮神社の鳥居杉」として市指定天然記念物に指定されており、神社の歴史と自然の重要性を物語っています。

祭事

例大祭は、毎年10月19日頃に行われます。この祭りは、地域の人々にとって非常に重要なイベントであり、多くの人々が参拝に訪れます。祭りの期間中は、伝統的な神事や芸能が奉納され、神社は活気に満ち溢れます。

アクセス

神社へのアクセスは、東海バス（市自主運行委託）を利用するのが便利です。「中里」または「八幡」バス停から北東へ徒歩3〜5分程度で到着します。公共交通機関を利用することで、神社周辺の自然環境を楽しみながら訪れることができます。

まとめ

八幡来宮神社は、長い歴史と豊かな自然に囲まれた神社です。再建以来、地域の総鎮守として大切にされてきたこの場所は、訪れる人々に静けさと安らぎを与えてくれます。祭神である五十猛命への信仰、そして天然記念物に指定された大杉は、神社の歴史と地域の人々の結びつきを今に伝える重要な要素となっています。歴史と自然が調和したこの神社は、訪れる人々にとって、心安らぐ場所となるでしょう。

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