東アジアサッカー選手権2003

東アジアサッカー選手権2003

記念すべき第1回大会として開催された東アジアサッカー選手権2003は、2003年の12月4日から12月10日にかけて、日本の主要会場である横浜国際総合競技場などを舞台に行われました。この大会は、当初は同年5月28日から6月3日までの春季に開催される予定でしたが、開催直前に重症急性呼吸器症候群（SARS）の流行が東アジア地域で拡大した影響を受け、やむなく秋への延期が決定されたという経緯を持ちます。結果として、真冬の日本での開催となりました。

本大会は、予選大会と決勝大会の二段階に分かれて実施されました。まず予選大会は、同年2月22日から3月2日にかけて香港スタジアムにて開催されました。東アジアサッカー連盟に加盟する国・地域のうち、北朝鮮を除くチャイニーズタイペイ、グアム、香港、マカオ、モンゴルの計5チームが参加し、総当たりリーグ戦の形式で戦いが繰り広げられました。この予選リーグを首位で終え、決勝大会への唯一の出場権を獲得したのは、開催地である香港代表でした。

続く決勝大会には、予選を突破した香港に加え、2002年のFIFAワールドカップ日韓大会でアジア勢として出場権を得ていた日本、韓国、中国の3カ国がシード国として加わりました。これら4チームが再び総当たりリーグ戦を行い、優勝チームを決定する方式が採用されました。決勝大会は、日本の横浜国際総合競技場などを中心に行われ、各国の代表チームが東アジア王者の称号を目指して熱戦を展開しました。

この第1回大会では、参加チームに対して高額な賞金が用意されていたことも特筆すべき点です。優勝チームには50万USドル、準優勝チームには30万ドル、3位チームには20万ドル、そして4位チームにも15万ドルがそれぞれ授与されることが決定しており、単なる名誉だけでなく、経済的なモチベーションも高い大会でした。

日本国内において、この東アジアサッカー選手権2003は、全国のサッカーファンからの注目を集めました。大会の主要な試合の模様は、フジテレビ系列によってテレビ中継され、多くの人々が自宅で熱戦を観戦することができました。

また、当初予定されていた大会時期の代替として行われたイベントにも触れておきましょう。2003年5月31日は、前年の日韓ワールドカップ開幕からちょうど1周年にあたる記念すべき日でした。この日に、国立霞ヶ丘競技場陸上競技場では、日本代表と韓国代表による国際親善試合が開催されています。この試合も、本大会と同様にフジテレビによって中継され、期せずして「東アジアのライバル対決」が当初の大会予定時期に行われる形となりました。

このように、東アジアサッカー選手権2003は、記念すべき第1回大会として、SARSによる予期せぬ延期という困難を乗り越えつつ、日本で開催されました。参加各国・地域にとって、新たな地域大会の創設は、国際経験を積む貴重な機会となると同時に、東アジアにおけるサッカーのさらなる発展に向けた重要な一歩となりました。高額な賞金も大会の魅力を高め、メディア中継を通じて広く一般にアピールされるなど、今後の大会につながる礎を築いたと言えるでしょう。

もう一度検索