東アッティカ県

東アッティカ県について

東アッティカ県（Ανατολική Αττική / Anatolikí Attikí）は、ギリシャ共和国のアッティカ地方に属する行政区です。首都アテネの東部に位置し、アテネ都市圏の一部として、重要な役割を担っています。県都はパリニで、アテネ国際空港がこの県に所在しています。

地理

東アッティカ県は、アッティカ半島の東部および北部に広がっています。アテネから北東約13kmに位置するパリニは、アテネと連続した市街地の一部を形成しています。県の北、東、南はエーゲ海に面しており、美しい海岸線が広がります。県域には、北アテネ県に属するペンデリ市が一部入り込んでいます。

地形は変化に富み、県北西部にはアッティカ地方の最高峰であるパルニタ山がそびえています。山や丘陵が多く、海岸線も起伏に富んでいます。一方で、マラトナス周辺の沿岸部には広い平地が広がっています。マラトン西方には人造湖であるマラトン湖があり、アテネの水源として重要な役割を果たしています。

主要な都市・集落

県内には、以下の人口1万人を超える都市があります（2001年国勢調査に基づく）。

アハルネス（Αχαρνές）：75,329人
ヴラ（Βούλα）：25,532人
アルテミダ（Αρτέμιδα）：17,391人
コロピ（Κορωπί）：15,860人
ネア・マクリ（Νέα Μάκρη）：13,986人
イェラカス（Γέρακας）：13,921人
ペアニア（Παιανία）：12,855人
パリニ（Παλλήνη）：12,552人
カリヴィア・トリコウ（Καλύβια Θορικού）：12,202人
ラフィナ（Ραφήνα）：11,352人
ヴァリ（Βάρη）：10,998人

これらの都市は、アテネと連続して市街地を形成しており、特にアテネから北東に約13kmのパリニや、北に12kmのアハルネスは、アテネ都市圏の一部として重要な役割を果たしています。

行政区画

東アッティカ県は、以下の自治体（ディモス）から構成されています。

（表は省略。入力データの表を参照）

かつて、東アッティカ県はアッティカ県（ノモス）に属する行政区（ノマルヒア）でしたが、2011年1月のカリクラティス改革により、地方（ペリフェリア）を構成する行政区（ペリフェリアキ・エノティタ）となりました。

交通

道路

アテネから北部へ向かう主要な交通路が、東アッティカ県の北西部を通過しています。

A1号線（高速道路）: ティーヴァ方面からアテネ方面へ
A6号線（高速道路）: エレフシナ方面からアハルネス、コロピ東方へ
GR-1号線（国道）: ティーヴァ方面からアテネ方面へ
GR-79号線（国道）: オロポスからマラカサへ
GR-83号線（国道）: マラトンからラフィナへ
GR-85号線（国道）: ラフィナからラヴリオへ
GR-87号線（国道）: パリニからスパタ（アテネ国際空港）へ
GR-91号線（国道）: アテネからヴリアグメニ、スニオン岬、ラヴリオへ
E75号線（欧州自動車道路）: GR-1号線と重複

鉄道

アテネ首都圏とテッサロニキを結ぶ幹線が県内を通過します。スヒマタリの東のイノイ駅で、ハルキダに向かう支線が分岐しています。

ギリシャ国鉄（OSE）: アテネからアイオス・ステファノスを通り、ティーヴァ、テッサロニキ方面へ
アテネ地下鉄3号線: パリニからアテネ国際空港へ
プロアスティアコス: アノ・リオシアからパリニ、アテネ国際空港へ

空港

アテネ国際空港（スパタ＝アルテミダ市）

東アッティカ県は、アテネ首都圏の一部として、道路、鉄道、空路の交通網が発達しており、ギリシャ国内の主要都市や海外へのアクセスも容易です。

この地域は、古代ギリシャの歴史と現代都市の機能が融合した魅力的な場所であり、観光やビジネスにおいても重要な拠点となっています。

もう一度検索