東トルキスタンイスラム運動

東トルキスタン・イスラム運動 (ETIM)

東トルキスタン・イスラム運動（ETIM）は、中国からの分離独立を目指すイスラム過激派組織として知られています。この運動は東トルキスタン、すなわち現在の新疆ウイグル自治区の独立を求めて活動しています。その歴史は1997年に遡り、ハッサン・マフスームによって設立された「トルキスタン・イスラム党」（TIP）がその基盤とされています。TIPは中国において過激派と見なされており、その後ETIMとして国際的にテロ組織に指定されました。

組織の目的と行動

ETIMの主張は、イスラムに基づく正義を取り戻すことであり、特に東トルキスタンにおけるムスリムの解放を目指しています。組織の綱領には、共産党政権を敵視し、ジハードを推進する旨が明記されています。具体的には軍人や官僚、政治家など、国家の支配を行う者たちを攻撃することを目的としています。加えて、彼らは東トルキスタンへの中国人移住者を非合法と位置づけ、対抗するための訓練を若者に施しています。回族のムスリム同胞団に対しても、従順であるという理由から敵視している点も特徴的です。

国際的な認知

2002年9月、国際連合はETIMをテロ組織として認定しました。その後、2003年には中国政府がTIPをETIMとして公式にテロリストとして指定しました。さらに、アメリカやイギリス、ロシアなど複数の国々もテロ組織としての認定を行い、2004年にはアメリカが主導する形でその認定が強化されました。ただし、2020年にはアメリカのトランプ政権がETIMのテロ組織指定を解除し、存在に関する新たな議論が生じました。

事件と活動

ETIMは数々の事件に関与しており、その中には2007年の中国公安による訓練キャンプ攻撃や2008年の昆明バス爆破事件が含まれます。特に昆明バス爆破事件では、2名が亡くなり、多数の負傷者が出るという結果に至りました。また、2013年には天安門前での自動車炎上事件がETIMの指示とされ、大きなニュースとなりました。この事件では、死者5人、負傷者38人を出し、ETIMが今後も中国国内の重要なターゲットを狙うといった声明を発表しました。

その後の展開

ETIMの影響は中国国内に留まらず、シリア内戦など海外にも及びました。2014年には、約300人のウイグル人が過激派組織ISILに加わったと報じられており、シリアの反政府勢力と連携して活動しているとされています。最近の情報では、ETIMに関連する指導者がアメリカの無人機によって殺害される一幕もありました。

結論

東トルキスタン・イスラム運動は現在も活発に活動しており、さまざまな国や機関によってテロ組織として認識されています。今後の動向が注目される組織であり、その影響力は国際的な安全保障の議論において重要なファクターとなっていることは間違いありません。

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