東京モノレール100形電車

東京モノレール100形電車シリーズ

東京モノレールは1964年に開業し、それに伴い100形から350形までの多様な電車が登場しました。これらはすべてアルヴェーグ式モノレールに基づく設計で、日本国内での導入例が少ない中で特異な存在として位置付けられています。

概要

東京モノレール100形電車は、名古屋鉄道モンキーパークモノレール線に続くもう一つの例として、当時の最先端技術を駆使したものでした。これらの電車は、3両で構成されたユニットを1～2個連結して運行され、制御装置には日立製のMMC（抵抗制御）が使用されていました。電動機は各ユニットに4基搭載され、最大出力は130kW、設計上の最高速度は100km/hですが、実際には80km/hでの運行が主でした。

車両の特徴として、アルミニウム合金製の車体が挙げられます。客用扉は片開き式で、車端部には運転台と戸袋窓があり、ドア間には幅広の2段窓が3つ設置されています。運転台も前方の展望を重視した開放式の設計が施されています。座席は車輪の上に背中合わせに配置されるロングシートと、新幹線一般車両の配置に似た片側2人掛け・3人掛けの転換クロスシートが用意されています。

当初の車両塗装はクリーム色、青色、濃青色の組み合わせでしたが、後に500形と同じ赤、白、灰色のカラーリングに変更されました。また、冷房は搭載されていないものの、通風装置としてファンデリアが採用されていました。

車両の種類

100形

100形は先頭車で、前面は丸みを帯びたデザインになっており、貫通扉が設けられています。全長は10.8mで、2軸車の設計です。定員は80名に設定されています。

200形

中間車に該当する200形は、全長8.8mの2軸車で、100形や300形、350形に挟まれた状態で運行されます。100形の運転台が無く、主に客車としての役割を持ちます。定員は100形と同様に80名です。

300形

300形は6両編成用の流線型先頭車で、全長10.8mの2軸です。100形と同じく貫通扉を持ちますが、流線形のフォルムが特徴的で、中間には挟まれません。定員も80名に設定されています。

350形

350形は中間車で、全長10.1mの2軸車です。300形との連結に対応した設計で、100形の運転台部分が客室に変更されたモデルです。定員は89名となっています。

製造と廃車

これらの電車は、1964年から日立製作所によって製造され、各車種の製造台数は100形が14両、200形が11両、300形と350形はそれぞれ4両となっています。

しかし、1973年には早くも207-209編成が事故によって廃車となり、1974年には状態不良により304-211-353編成がその後を追いました。その後の新型車両に比べ収容力が不足したことや、年度の経過による老朽化が相まって、1978年までに全車両が廃車の運命を辿ったのです。

まとめ

東京モノレールの100形から350形までの電車は、その技術的な革新性と独特なデザインにより、鉄道ファンだけでなく多くの人々に記憶されています。これらの車両は今では見ることができませんが、当時の東京の交通の一翼を担った重要な存在でした。

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