東京ヴィヴァルディ合奏団

株式会社東京ヴィヴァルディ合奏団

株式会社東京ヴィヴァルディ合奏団（とうきょうヴィヴァルディがっそうだん、英語名：Tokyo Vivaldi Ensemble Co.,Ltd.）は、日本のプロフェッショナルな室内合奏団であり、東京都港区に活動の拠点を置いています。略称はTVE（ティーブイイー）。1961年に設立され、以来、ユニークなスタイルで音楽活動を続けています。

特徴と編成

この合奏団の大きな特徴は、指揮者を置かないスタイルを採用している点です。また、初期の原則に基づき、全員が男性奏者で構成されています。編成は弦楽と鍵盤楽器（主にチェンバロ）を基本とし、フル編成ではヴァイオリンが6名（3名ずつ）、ヴィオラ2名、チェロ2名、コントラバス1名、そして鍵盤楽器1名の計12名で演奏を行います。

音楽性とレパートリー

レパートリーの中心はアントニオ・ヴィヴァルディをはじめとするイタリア・バロック音楽ですが、それだけでなく、近代・現代の作曲家の作品や、新たに委嘱された作品も積極的に取り上げています。特にヴィヴァルディが遺した膨大な数のヴィルトゥオーゾ作品の発掘と紹介に力を入れており、これまでに多くの作品の世界初演を手がけてきました。その音楽性は、重厚感のあるイタリアンバロックサウンドと、奏者それぞれの自由な表現が織りなす繊細さ・濃やかさを兼ね備えています。

1985年からは、チェリストである渡部宏が音楽監督として合奏団の中心となり、音楽的な方向性の確立を推進しています。コンサートマスターには客員奏者を招き、国内外の著名な奏者との共演を通じて、若手演奏家の育成と登用にも積極的に取り組んでいます。

団体の理念としては、流行に左右されず、真摯に音楽と向き合う姿勢を重んじています。正統派であると同時に、常に新しい挑戦を恐れない精神を持ち、聴衆に上質な演奏会を提供し続けることを掲げています。確かな演奏技術の上に、作曲家や作品への深い理解と敬意を持ち、生きた音色や音楽を追求することで、「期待と夢に膨らむ魅力を感じられる演奏会」を届けることを目指しています。

コンサート活動

年間を通じて多岐にわたるコンサート活動を展開しています。主な定期公演としては、新年を飾る「ニューイヤーコンサート〈新春は『四季』を聴きたい〉」、春と秋の定期演奏会があります。その他、聴衆のリクエストに応える「名曲選」、クリスマス・コンサート、イタリア文化会館でのシリーズ「”Viva Vivaldi!!”」などを開催しています。また、「ヴァレンタイン・コンサート」や「串田孫一音楽の絵本ファンタジー」といった特別企画も実施しています。これらの東京での活動に加え、全国各地での招聘公演、合唱団との共演、学校での音楽鑑賞教室など、幅広い場で演奏を届けています。近年では、東京ヴィヴァルディ管弦楽団としての活動も活発に行われています。

沿革

1961年：東京藝術大学の弦楽器奏者を中心に設立。
1971年、1973年：ヨーロッパ公演を実施。
1988年：「ニューイヤーコンサート〈新春は『四季』を聴きたい〉」を開始。
2000年：クリスマスコンサートを開始。
2001年：創立40周年。外山雄三氏に『組曲「弓の月」〜東京ヴィヴァルディ合奏団のための〜』を委嘱・初演。記念CD『オール・ヴィヴァルディ・プログラム』をリリース。
2005年：ボリス・ポレーナ氏に『チェンバロ協奏曲〜東京ヴィヴァルディ合奏団のための』を委嘱し、世界初演を行う。
2006年：創立45周年。合奏団の「ねこロゴ」（チェリスト・画家の雨田光弘氏作）の愛称を一般公募により「ルディ」と「ヴィーヴァ」に決定。音楽監督・渡部宏氏のCD「鳥の歌」～無伴奏チェロ作品集～をリリース。
2008年10月：「株式会社東京ヴィヴァルディ合奏団」として法人化。
2010年：イタリア文化会館にて、イタリア作品をメインとする「VivaVivaldi!!」コンサートシリーズを開始。
2011年：創立50周年記念公演を開催。
2021年：創立60周年記念公演を開始。

ディスコグラフィー

マイスター・ミュージックより、以下のCDがリリースされています。

『オール・ヴィヴァルディ・プログラム』
『ヴィヴァルディ：ヴァイオリン協奏曲「お気に入り」』ヴァイオリン独奏：ジョヴァンニ・グリエルモ（2018年にハイレゾリューションで再発売）
『弦楽のためのアダージョ』ヴァイオリン独奏：エフゲーニ・クテッィク

音楽監督

* 渡部宏（チェロ）

合奏団のさらなる情報は、公式サイトから確認できます。

公式サイト

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