東京女学館小学校

東京都渋谷区広尾に校舎を構える東京女学館小学校（とうきょうじょがくかんしょうがっこう）は、創立以来の長い歴史を持つ私立の女子小学校です。

その源流は、明治時代に遡ります。1886年（明治19年）には女子教育奨励会創立委員会が結成され、新しい時代の女子教育の必要性が説かれました。この活動が実を結び、2年後の1888年（明治21年）に東京女学館が創立されます。当初は女子の高等教育機関としての役割を担っていましたが、教育の裾野を広げる中で、1929年（昭和4年）に小学校課程にあたる東京女学館小学科が開校しました。翌1930年（昭和5年）には東京女学館小学部と名称を改め、戦後の学制改革を経て、1948年（昭和23年）に現在の名称である東京女学館小学校となりました。以来、一貫して女子教育に力を注ぎ、伝統を守りながら教育活動を展開しています。

教育環境の一部として、生徒たちが着用する制服は学校の特色を象徴する存在です。冬服には、紺色の大きな襟にクリームホワイトの長袖セーラー服が採用されており、首元には赤いシルクのスカーフ（リボン）を結びます。これに紺色の帽子を合わせます。夏服では、冬服と同様に紺色の襟を持つセーラー服ですが、生地が白地に変わり半袖となります。こちらも赤いシルクのスカーフを着用しますが、夏の期間は後述の準制服を選ぶ生徒が多いようです。準制服は、白襟に爽やかな水色のワンピースというデザインで、白の帽子を合わせます。肌寒い時期には、セーターを着用することも認められていますが、その管理は生徒自身に委ねられています。また、タイツの着用については、教員の許可を得る必要があります。これらの制服規定は、生徒たちの品位と学校の一体感を育む役割を果たしています。

東京女学館小学校からは、多岐にわたる分野で活躍する多くの卒業生が社会に送り出されています。主な出身者としては、オペラ歌手の郡愛子氏、フリーアナウンサーでタレントとしても活動する元テレビ朝日アナウンサーの南美希子氏、女優の夏目雅子氏、元フジテレビアナウンサーの寺田理恵子氏、元宝塚歌劇団月組男役トップスターの久世星佳氏、元キャスターの高木希世子氏、歌手のSILVA氏、Gyao専属アナウンサーを務めた田中玲美氏、作家・脚本家の河原れん氏、女優の山口いづみ氏、元タレントの阿比留愛氏、タレントのあびる優氏、元宝塚歌劇団月組娘役の夏鳳しおり氏、元女優の笹るみ子氏、女優の高咲里音氏などが挙げられ、各界でその才能を発揮しています。

東京女学館は、小学校だけでなく、中学校・高等学校も同じ敷地内に併設されており、かつては東京女学館大学や東京女学館短期大学も存在していました。これらの関連施設を含め、一貫した女子教育を提供してきた歴史があります。詳細は公式ウェブサイトにて確認することができます。

東京女学館小学校は、その長い伝統と、時代に合わせた教育を通じて、未来を担う女性たちの育成に貢献し続けています。

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