笹るみ子

笹るみ子：昭和の銀幕を飾った女優

笹るみ子（ささ るみこ）は、日本の昭和期に活躍した映画女優です。1940年（昭和15年）7月10日に群馬県前橋市で生を受け、2016年（平成28年）10月17日に76歳でその生涯を閉じました。彼女は、多才な俳優として知られるなべおさみの妻であり、タレントとして活躍するなべやかんの母でもあります。

経歴と活動

前橋市で育った笹るみ子は、東京女学館小学校、東京女学館中学校を経て松蔭高等学校を卒業しました。高校在学中だった1957年（昭和32年）、東宝の目に留まりスカウトされたことがきっかけで芸能界入りを果たします。同年、東宝に入社し、女優としてのキャリアをスタートさせました。

銀幕でのデビュー作は、当時の人気青春映画シリーズの続編である『青い山脈 新子の巻』および『続青い山脈 雪子の巻』でした。この作品で笹井和子役を演じ、女優としての第一歩を踏み出します。初期には特に精力的に映画に出演し、1958年（昭和33年）から1961年（昭和36年）にかけては年間複数本のペースで作品に登場しました。

東宝の看板シリーズであった「社長シリーズ」には、『社長三代記』や『続・社長三代記』にうさぎ役で出演したほか、『社長太平記』にも小竹まろみ役で登場するなど、常連キャストの一人として存在感を示しました。また、「お姐ちゃんシリーズ」では、『大学のお姐ちゃん』や『お姐ちゃん罷り通る』に出演。このほか、『東京の休日』でのスピードガール役、『若い娘たち』の石沢タマ子役など、現代劇を中心に多彩な役柄を演じ分けました。さらに、宝塚映画製作の『風流温泉日記』や『風流温泉 番頭日記』といった温泉シリーズにも出演するなど、コメディや人情劇でも才能を発揮しました。1960年代に入っても、『大学の山賊たち』、『七人の敵あり』、『守屋浩の三度笠シリーズ 有難や三度笠』、『二人の息子』といった作品で重要な役を担い、日本の映画産業が活況を呈していた時期を支えました。

1962年（昭和37年）には、活動の場を東宝テレビ部に移しました。これは、テレビが新たなメディアとして台頭してきた時代の流れに対応した動きと考えられます。しかし、テレビドラマでの詳細な活動については記録が少ないのが現状です。そして、1966年（昭和41年）、約9年間の活動期間を経て芸能界から引退しました。

私生活と晩年

私生活では、俳優として独特の存在感を放つなべおさみと結婚しました。二人の間には、後にタレントとして活躍する息子のなべやかんが生まれています。引退後は公の場に出る機会は減少しましたが、家族を通じてその名前がメディアに登場することもありました。

2016年（平成28年）10月17日、肺炎のため76歳で逝去しました。笹るみ子は、短いながらも集中的な女優活動を通して、昭和の日本映画の一時代を彩った人物として記憶されています。彼女が出演した作品群は、当時の社会や文化を映し出す貴重な記録ともなっています。

宇津井健、加山雄三、桐生かほる、木暮実千代といった同時代の名優たちとも共演した経験があったとされています。

もう一度検索