東京学芸大学附属幼稚園小金井園舎

東京学芸大学附属幼稚園小金井園舎（とうきょうがくげいだいがくふぞくようちえんこがねいえんしゃ）は、東京都小金井市貫井北町四丁目に所在する国立の附属幼稚園です。この園は、国立大学法人東京学芸大学によって運営されており、大学の教育研究機能の一翼を担っています。東京学芸大学附属幼稚園としては、東京都小金井市にある本園のほか、竹早にも園舎があり、二園体制で運営されています。

歴史と沿革

本園の歴史は、明治時代に遡る長い伝統を誇ります。直接の前身となるのは、1904年（明治37年）に東京市小石川区竹早町に開園した「東京府女子師範学校附属幼稚園」です。これは、当時の小学校教員を養成する師範学校に付置されたもので、幼児教育の研究と実践の場としての役割を持っていました。この竹早に設けられた附属幼稚園が、現在の東京学芸大学附属幼稚園の源流です。

教育制度の変遷に伴い、園の名称は度々変更されました。太平洋戦争中の1943年（昭和18年）には、師範学校の統合と官立（国立）への移管が進められ、「東京第一位師範学校女子部附属幼稚園」へと改称されました。戦後の教育改革を経て、1949年（昭和24年）に新制大学制度が導入され、東京学芸大学が発足すると、附属幼稚園は大学に包括される形となり、「東京学芸大学東京第一師範学校附属幼稚園」と名前が変わりました。さらに、1951年（昭和26年）に師範学校が廃止されたことに伴い、名称は現在の形に近い「東京学芸大学附属幼稚園」となりました。

現在の小金井園舎が設置され、竹早園舎との二園体制が確立されたのは、1957年（昭和32年）のことです。この年、東京学芸大学のキャンパスが竹早から小金井へと統合移転されることが決定し、それに伴い、竹早の園舎に加えて小金井にも附属幼稚園の新たな園舎が建設されることになりました。同年4月には小金井に園舎を置く体制となり、7月には新しい園舎が完成しました。小金井園舎は、この1957年を創立の年としています。

その後の園の発展として、教育内容や施設の充実が図られました。1970年（昭和45年）には、それまでの保育形態に加え、3年保育が開始されました。また、1972年（昭和47年）には小金井園舎の園舎が新築され、より現代的な教育環境が整えられました。この時期には、組織名の変更に伴い、「東京学芸大学教育学部附属幼稚園小金井園舎」という名称が用いられるようになりました。さらに、1979年（昭和54年）からは、附属特殊教育研究施設との連携が始まり、統合保育の実践が開始されました。これは、特別な支援を必要とする子どもたちとそうでない子どもたちが共に学び育つ環境を目指す取り組みでした。近年の大きな変化としては、2004年（平成16年）に国立大学が法人化されたことに伴い、園の正式名称が現在の「国立大学法人東京学芸大学附属幼稚園小金井園舎」となりました。

教育目標

東京学芸大学附属幼稚園小金井園舎では、「人や身近な環境にかかわる中で、自主性と創造性をもち、明るくのびのびと自己発揮する子どもを育てる」という教育目標を掲げています。子どもたちが自ら考え、行動し、自分らしさを豊かに表現できるよう、主体的・対話的で深い学びにつながるような教育活動を推進しています。

まとめ

東京学芸大学附属幼稚園小金井園舎は、明治期からの長い歴史と、教育制度の変遷に対応しながら発展してきた経緯を持ちます。1957年に開設された小金井園舎は、竹早園舎と共に、国立大学附属幼稚園として、教育目標に基づいた質の高い幼児教育の実践を行うとともに、東京学芸大学の教育研究に貢献しています。統合保育の実践など、時代に即した先進的な取り組みも行われています。

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