東京家族 (映画)

東京家族

『東京家族』は、2013年に公開された山田洋次監督による日本[[映画]]です。1953年の小津安二郎監督作品『東京物語』をモチーフに、現代の家族のあり方を描いています。設定やストーリー、演出手法など、多くの点で『東京物語』を踏襲しており、実質的なリメイク作品と言えるでしょう。

概要

物語は、広島県大崎上島町に住む老夫婦、平山周吉ととみこが、東京で暮らす子供たちを訪ねることから始まります。長男の幸一は開業医、長女の滋子は美容師としてそれぞれ独立していますが、多忙な日々を送る中で、両親との時間を持つことが難しくなっています。次男の昌次は舞台美術の仕事をしており、恋人の紀子との将来を模索中です。

東京に到着した周吉ととみこは、子供たちの家を順番に訪れますが、それぞれの生活に遠慮しながら、どこか居心地の悪さを感じます。子供たちは親を気遣いつつも、自分の生活を優先してしまうため、夫婦は寂しさを募らせていきます。そんな中、とみこが体調を崩し、急逝してしまいます。突然の出来事に、子供たちは悲しみに暮れるとともに、両親との向き合い方について改めて考えることになります。

ストーリー

物語は、周吉ととみこの東京見物を軸に進みます。横浜のホテルに宿泊したり、東京観光に出かけたりしますが、子供たちの都合で予定が変更になったり、手持ち無沙汰になったりすることが多く、老夫婦はどこか満たされない思いを抱えます。

一方、とみこは昌次のアパートを訪れ、恋人の紀子と出会います。紀子の優しさに触れたとみこは、彼女を家族として迎え入れることを喜びます。しかし、その矢先に倒れてしまい、意識不明の状態に陥ります。

とみこの死後、家族は故郷の島に集まり葬儀を行います。そこで、それぞれが抱える後悔や葛藤が明らかになります。特に、昌次と紀子は、周吉との関係に悩みを抱えますが、最終的には周吉が紀子を認め、彼女にとみこの形見である腕時計を託します。

キャスト

平山周吉：橋爪功
平山とみこ：吉行和子
平山幸一：西村雅彦
平山文子：夏川結衣
金井滋子：中嶋朋子
金井庫造：林家正蔵
平山昌次：妻夫木聡
間宮紀子：蒼井優

スタッフ

監督：山田洋次
脚本：山田洋次、平松恵美子
音楽：久石譲

受賞歴

第37回日本アカデミー賞
優秀作品賞
優秀監督賞（山田洋次）
優秀脚本賞（山田洋次、平松恵美子）
優秀主演男優賞（橋爪功）
優秀主演女優賞（吉行和子）
優秀助演男優賞（妻夫木聡）
優秀助演女優賞（蒼井優）
優秀音楽賞（久石譲）
優秀撮影賞（近森眞史）
優秀照明賞（渡邊孝一）
優秀録音賞（岸田和美）
優秀編集賞（石井巌）

テーマ

『東京家族』は、現代社会における家族の絆や、高齢化社会の問題、そして震災からの復興など、様々なテーマを内包しています。山田洋次監督は、普遍的な家族の姿を通して、現代社会が抱える問題に静かに問いを投げかけています。

観る人それぞれが自身の家族について考えさせられる、心に深く残る作品です。

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