東京市電気局乙1000形電車

東京市電気局乙1000形電車について

東京市電気局乙1000形電車は、1925年に東京市電気局によって製造された電動貨車です。この電車は、関東大震災からの復興作業を支えるために作られ、総計45両（番号1001から1045）が製造されました。

製造の背景

関東大震災後、東京では復興が急務となり、様々な工事が進められました。その中で、資材の運搬が重要な課題として浮上しました。このため、電動貨車である乙1000形が必要とされ、東京市電気局がこれを製造しました。乙1000形は、無蓋の木造ボギー電車であり、貨物輸送に特化した構造が施されています。

主な用途

乙1000形電車は、特に復興作業に必要な砂利の運搬を主な任務としていました。渋谷から玉川電気鉄道（後の東急玉川線）への直通運行を行い、多摩川から砂利を運びました。このように、多くの資材運搬を通じて、東京の復興に寄与しました。

戦後の運用

乙1000形のうち、特に1035、1036、1044の3両は戦後も残存し、それぞれ番号を1001から1003に改番されました。これらは三田車庫、大久保車庫、そして三ノ輪車庫といった場所に配属されました。戦後も資材運搬に従事し、芝浦工場と各工場間の物資移動に不可欠な存在でした。

廃車とその後

しかしながら、1969年から1971年にかけて、乙1000形はすべて廃車となりました。昭和の時代、鉄道の発展は著しく、老朽化した車両は次第に淘汰されていくこととなりました。乙1000形もその波に飲まれ、長い歴史に幕を下ろしたのです。

まとめ

東京市電気局乙1000形電車は、東京の復興という大きな歴史的背景を持った電動貨車でした。復興作業に重要な役割を果たし、戦後の時代にも利用されました。それらの活動を通じて、東京の復興の一翼を担った存在であり、現在ではその名は歴史の中に刻まれています。

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