東京市電気局4000形電車

東京市電気局4000形電車の概要

東京市電気局4000形電車は、1925年に登場した路面電車です。このタイプは、後の東京都交通局が運用したもので、旧4000形、4100形、4200形、そして更新された4000形について詳しく解説します。

旧4000形

旧4000形は1925年から50両が製造された三扉の低床式ボギー車です。主に木造でしたが、鉄骨も使用されており、先に製造された3000形と同様の構造です。扉は三枚とも引き戸で、関東大震災後の“ホヘ中1653形”以来の三扉車として復活しました。台車には新設計のD-11形が採用され、外観が特徴的です。全車両は三田車庫に所属し、主に1系統（品川-上野間）で活躍しました。

旧4000形は、設計不備による乗り心地の悪さから、市電の中でも最低とされました。また、異音や雑音が多く、ブレーキ構造に欠陥があったため、走行中には独特の異音が聞かれました。太平洋戦争中には一部車両が南千住車庫に転出し、戦後は6000形の配備に伴い、小倉・柳島車庫へ転出。その後、45両が鋼体化改造を受けました。なお、4014号は改番され、1952年には鋼製3000形に改造されています。

4100形

4100形は、旧4000形に続いて1925年から製造され、50両が製造されました。こちらも低床式の木造三扉ボギー車で、外観にわずかに丸みを帯びたデザインがあります。制御器として東芝製のRB200形を採用しているため、区分されました。4100形も三田車庫に配属されていましたが、鈍足であったため、主に2系統（三田-上野間）で運転されました。

戦時中の酷使により、多くの車両が休車となり、戦後には6000形の配備に伴い、柳島車庫や巣鴨車庫、後に広尾車庫に転出しました。一部復旧された車両はD-10台車に振り替えられ、4103号は鋼体化改造のテストベッドとして改造されました。1949年度には30両が鋼体化され、残存した4両は改番されています。

4200形

4200形は、4000形と4100形の後、1927年から80両が製造されました。こちらも鉄骨採用の低床式三扉木造ボギー車です。4200形の屋根は初の鉄板張りであり、形状的には他の4000系と異なります。しかし、屋根の腐食による雨漏りが多発し、その後キャンバス張りに改装されました。

戦災により42輌が失われ、その後も台車の交換や改修が行われました。一部は多くの車庫に散らばり、1949年度には35両が鋼体化されたものの、木造のまま残っていた3両も改番されています。

更新4000形

1949年から1950年にかけては、4000形、4100形、4200形の木造車体の更新が行われました。更新した車体は6000形に似ており、117両が製造されました。これにより、王電120形を種車にした車両は、埋め込まれたエアーホイッスルの音色が異なり、利用者に戸惑いを与えました。

不要となった木造車体は譲渡され、一部は官舎として利用されました。ドックや柳島を中心に配属され、1970年代には全車両が廃車となる運命をたどりました。廃車後は一部車両が保存されたものの、現存するのは台車のみです。

以上が、東京市電気局4000形電車とその派生型の詳細な経歴となります。

もう一度検索