東京放送管弦楽団

東京放送管弦楽団

東京放送管弦楽団（とうきょうほうそうかんげんがくだん）は、日本放送協会（NHK）に属する専属のオーケストラで、略称として「東管（とうかん）」が使われています。この楽団は、1931年に近衛秀麿の解雇を受けた17名の楽員が中心となり、堀内敬三の協力で設立されました。その当初は「コロナ室内管弦楽団」と名付けられましたが、後に現在の名称に改称されました。名称の由来には、堀内が使用していたタイプライターの商標名「コロナ」が含まれており、また「新響からハミ出たコロナ」という意味も込められています。

歴史

東京放送管弦楽団は、1988年に一度解散を挟みながらも、NHK放送センターが名称の商標権を保持している関係で、元団員が中心となり新たな私設団体として活動を続けています。今日の「東管」はこの流れを受け継いでいます。

設立以来、東京放送管弦楽団は、いくつものNHKの番組において中心的な役割を果たしてきました。特に、ポピュラー音楽の歌手の伴奏を行うことが主な活動となっています。「NHK紅白歌合戦」や「思い出のメロディー」などの番組において、その存在を確認することができます。また、かつては朝の連続テレビ小説のテーマ音楽なども演奏していました。

演奏活動

1940年代から1950年代にかけて、東京放送管弦楽団は生演奏に力を入れていました。当時は放送技術が未発達であり、生放送の需要が高かったため、楽団の演奏機会は多くなりました。戦後には指揮者森正のもとでクラシックコンサートのシリーズやラジオ番組に出演するなど、演奏活動に大いに貢献しました。音楽教育の一環として、教育テレビで楽器紹介や例示演奏にも参加しています。

出身者・関係者

歴代の指揮者やメンバーには、著名な音楽家が揃っています。創立メンバーには久岡幸一郎や佐藤友吉が名を連ねており、指揮者としては森正や藤山一郎が活動してきました。組織の運営には、吉成行蔵のようにさまざまな役割を果たした人物もいます。吉成は、NHK放送芸能団の理事長も務め、演奏から運営まで幅広い分野で活動しました。

関連団体

東京放送管弦楽団の活動は、NHKの他のオーケストラ団体とも密接に関連しています。例えば、NHKオール・スターズはポピュラー音楽の演奏を行うために結成された団体で、他にも全国各地にNHK系列の放送管弦楽団が存在し、それぞれの地域で重要な音楽活動が行われています。

このように、東京放送管弦楽団は多岐にわたる活動を行い、NHKの音楽制作の重要な一翼を担っています。ポピュラー音楽からクラシックまで、常に多様な音楽に触れながら、未来へ向けた活動を展開していくことでしょう。

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