東京裁判 (映画)

東京裁判についての詳細

『東京裁判』は1983年に公開された日本のドキュメンタリー映画であり、指導者たちの戦争犯罪を裁いた極東国際軍事裁判の様子を収めています。この作品は、当時の日本や世界の状況を探るために非常に重要な資料となっており、実際の裁判が行われた期間を経て、25年後に公開されました。

製作と内容の概要

本作は、アメリカ国防総省が所有する膨大なフィルムから編集され、約5年の歳月をかけて製作された長尺のドキュメンタリーです。作品の全体の長さは4時間30分を超え、視聴者は当時の緊迫した状況を詳細に感じ取ることができます。監督は小林正樹、ナレーターは佐藤慶が務めています。

映画の構成

映画の冒頭では、ポツダム会談や終戦の詔勅の映像が流れ、視聴者に戦後の日本の文脈を伝えます。これに続いて、東京裁判の法廷シーンが始まるのは映画開始から40分以上経った後です。この点において、単なる裁判の記録にとどまらず、戦争の影響が日本に及ぼした道のりが描かれています。

また、映画はBC級戦犯についても触れており、ショッキングな絞首刑のシーンも含まれています。さらに、ヒトラー率いるナチスドイツの興亡に20分以上を割き、ニュルンベルク裁判の判決を受けた被告の体の写真を紹介しています。

判決とその後

映画は、被告全員の判決が示された後、1948年12月23日に行われた7名の被告に対する死刑執行についても触れています。この判決は発表から1か月余り後に行われ、法廷での被告の写真と共に思い出されます。

世界との対比

映画は裁判の結末を描いた後、トルーマン大統領の再選就任祝賀パレードの映像とともに、世界各地で起きた戦争や紛争の様子を字幕で表示します。これにより、戦後の日本がどのように世界的な文脈の中で位置付けられるかを示します。特に、ベトナム戦争で逃げ惑う少女の映像が流れることにより、戦争の悲惨さを強く意識させられます。

受賞歴

本作は、多くの評価を受けており、第26回ブルーリボン賞の作品賞を受賞し、第35回ベルリン国際映画祭では国際映画批評家連盟賞を獲得しました。これらの賞は、本作が日本の映画史の中で重要な位置を占めることを示すものです。

放送履歴

映画は公開翌年に、TBS系列局で終戦40周年特集として前後編に分けて放送され、俳優の荻昌弘が映画解説を行いました。彼もこの作品の意義を広めるために貢献しました。

このように『東京裁判』は、日本の戦後の枠組みや国際的な文脈を理解する上で欠かせない貴重なドキュメンタリーとして今なお評価されています。

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