東京都レンジャー

東京都レンジャー：豊かな自然を守る東京都の守護者

東京都レンジャーは、東京都の貴重な自然環境保全に尽力する、自然保護指導員の通称です。正式名称は東京都自然保護指導員であり、都レンジャーと呼ばれることもあります。環境局と総務局小笠原支庁に所属する専門委員として、都内各地の自然公園で活躍しています。

発足と活動範囲

2004年、地方自治体として初めてレンジャー制度を導入。奥多摩、高尾、檜原村、そして小笠原諸島といった、東京都内6箇所の自然公園に配置されています。活動範囲は、東京都内の国立公園、国定公園、都立自然公園と広範囲に及びます。

多様な業務内容

東京都レンジャーの業務は多岐に渡り、自然保護における重要な役割を担っています。具体的には、以下の業務が挙げられます。

利用マナーの啓発と指導: 公園利用者への適切なマナー啓発を行い、自然環境への負荷を軽減するための指導を実施します。
違法行為の監視: 動植物の密猟や盗掘といった違法行為の監視を行い、自然環境の保護に努めています。必要であれば関係機関への通報も行います。
公園施設の維持管理: 登山道や公園施設の維持管理、応急的な修理を行い、安全で快適な利用環境を確保しています。
動植物のモニタリング: 動植物の生息状況や生育状況を継続的に観測し、その変化を把握することで、保全計画に役立てています。
自然解説: 公園利用者に対して、自然解説やルート案内を行い、自然への理解を深める機会を提供しています。また、意見や情報の収集にも努めています。
小笠原諸島特有の活動: 小笠原諸島では、動植物の持ち込み・持ち出し検査や外来種対策への協力、観光事業者への指導など、島嶼部の自然環境保全に特化した活動を行っています。
* ボランティア育成: 多摩地域では、東京都レンジャーをサポートするボランティア組織であるサポートレンジャーの育成・指導も行っています。

国立公園管理との連携

国立公園においては、環境省の自然保護官（パークレンジャー）も活動していますが、彼らの業務は許認可といった事務作業に多くの時間を割かれる傾向があります。一方、東京都レンジャーは、東京都の面積の36％を占める自然公園において、現場でのきめ細やかな活動に重点を置いています。これは、従来の行政では対応しきれなかった課題に対する、現場重視の新たな取り組みです。

名誉隊長と協力企業

東京都レンジャー制度の発足に大きく貢献した野口健氏が名誉隊長に就任しています。また、丸紅フットウェア（MERRELL）、モンベルなど、多くの企業が物品提供などを通じて、東京都レンジャー事業を支援しています。

まとめ

東京都レンジャーは、専門的な知識と経験を活かし、東京都の貴重な自然環境保全に貢献しています。彼らの活動は、自然公園の利用者にとって安全で快適な環境を提供するだけでなく、未来世代へ豊かな自然を継承していく上で重要な役割を果たしています。今後ますます、その活動に注目が集まることが期待されます。

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