東京都交通局2000形電車

東京都交通局2000形電車

東京都交通局が保有していた2000形電車は、東京都内の路面電車の中で重要な役割を果たした形式です。この電車には、戦時中に製造された木造車両と、戦後の鋼製車両の2つの種類があります。以下では、それぞれの特徴と歴史について詳しく解説します。

木造2000形

1943年3月に早稲田車庫で発生した火災の影響で、当時の木造3000形の一部が損傷しました。これを復旧・改造する形で、1943年から1946年にかけて14両の木造2000形が誕生しました。この改造では、台枠の延長や乗降口の拡張、丸屋根化などの改修が行われましたが、資材不足が影響し、進捗はかなり遅れました。

完成した8両のうち4両は戦災で失われ、1946年まで6両が完成することとなりました。しかし、改造はこの時点で打ち切られました。その後、これらの車両は数回改番を経て、1951年に登場した鋼製2000形に合わせる形でいくつかの車両が狭軌の杉並線に転用されました。1954年には2両が鋼製に改造され、さらに8両も1958年から一年の間に2500形へと改造され、木造2000形は姿を消しました。

鋼製2000形

一方、鋼製2000形は、1951年から1955年にかけて製造された中型低床ボギー車であり、杉並線用として設計されました。この形式では、木造車両を鋼体化したものと新製車両があり、合計で24両が製造されました。全体的なデザインや車体長は、同時期に製造された3000形と似ていますが、全幅が狭く、また車体の前後が絞られている点が特徴です。

1963年に杉並線が廃止された後、鋼製2000形は他都市への譲渡が検討されましたが、最終的には大栄車輌で改造され、1969年まで使用されました。この際には、1,372mm軌間用に改造され、特に2013～2016では台車が交換されるなど、適応力を示しました。

製造年による違い

2000形は製造年によっていくつかのグループに分けられます。1951年製の2001～2010は、西武鉄道の引継車を基にしたもので、側面窓が大きくなり、窓数が増加しました。続く2011～2012製は、木造3000形の鋼体化改造によって作られました。

1953年に製造された2013～2015は完全新製で、前面の方向幕なども改良されました。最終グループの2018～2024は、7000形の予算を流用し、7000形に近い仕様が取り入れられました。これらの車両は、外板一体化のスカートや窓構造の改変があり、現代的な要素を持ち合わせています。

配置と運用

当初、2000形は杉並線専用として登場しましたが、廃止後には他の営業所へと転用されました。1969年にはすべて廃車される運命にありましたが、この間、他都市への譲渡も含め、多くの変遷を経ていきました。特に2018～2024の一部は長崎電気軌道に譲渡され、特異な運用を行っていました。

保存車と譲渡

特に注目すべきは、001の車体が以前は保存されていたが、老朽化により撤去されたことです。譲渡の一例として、701号車が長崎電気軌道の記念車としてイベント時に運行されていましたが、アスベストの問題から解体されることとなりました。

2000形の歴史は、戦時中の影響や改造の痕跡が多く残っており、東京都交通局の路面電車史において特筆すべき存在です。

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