東京都交通局300形電車

東京都交通局300形電車

東京都交通局300形電車は、日暮里・舎人ライナーの専用鉄道車両であり、2008年3月30日の開業に合わせて投入されました。この車両は新潟トランシスによって製造され、開業当初から12編成が運用されていました。その後、2011年までに4編成が追加され、計16編成が揃っています。この電車は、AGT（新交通システム）に分類されており、東京都が出資するゆりかもめの車両デザインに似た特徴を持っています。

車体の特徴

車体は軽量なステンレス製であり、ドアも同様にステンレス鋼を使用しているため、耐久性と美観が兼ね備えられています。ドアの仕上げはヘアライン無塗装仕上げとなっており、窓はゴムによる接着方式を採用しています。各車両のドアは片側に2ケ所の外吊り式片開きドアを設けており、戸閉装置はスクリュー式です。

車体の側面には車側表示灯が設置されていますが、最前部や最後部からは確認しにくい設計となっています。この理由は、日暮里・舎人ライナーが無人運転であるため、乗務員が車両から車側表示灯を確認する必要がないためです。また、ホームドアにも戸閉め表示灯が設置されています。ラインカラーは緑と桃色で構成されており、緑は沿線の自然を、桃色は街の活性化を象徴しています。

車内設備

車両の内部は、当初はオールロングシートを導入する計画でしたが、予想を上回る乗車人数が見込まれたため、安全性を高めるために中央部にクロスシートが採用されました。1人掛けのクロスシートの隣には荷物置き場が設けられ、通路の近くにはつり革も備えています。ただし、座席の配置から立ち客が利用しにくい場合もあります。

2009年度以降に登場した編成では、シート配置の見直しが行われ、1・2・4・5号車の座席が2列から1列に変更されました。これによりロングシートも追加され、通路側の座席の頭上にはつり革が設置されています。さらに、座席モケットの色が緑色、手すりがオレンジ色へと変更されるなど、快適性と視認性の向上が図られています。

電気機器と性能

この車両はVVVFインバータ装置を採用した制御装置を備えており、コンバータ装置とVVVFインバータ装置が一つのユニットにまとめられています。これにより、誘導電動機が効率良く制御され、すべての車両が電動車両とされています。

その他の情報

なお、特定の編成では物置き場が撤去されるなどの改良が加えられています。東京都交通局の車両であるため、全編成に東京都のシンボルマークが描かれています。また、車両にはマナー啓発のメッセージが記載されたステッカーが掲示され、編成ごとに異なる動物のイラストが使用されています。

開業以来運用されている12編成は、2022年度から2024年度にかけて新しい330形電車に置き換えられる予定です。交通網の一部である日暮里・舎人ライナーは、地域の人々にとって重要な移動手段となっており、今後の発展にも期待が寄せられています。

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