東京都交通局330形電車

東京都交通局330形電車

東京都交通局330形電車は、東京都交通局が運行する新交通システム「日暮里・舎人ライナー」のために開発された車両です。2015年10月10日に営業運転が始まり、主に輸送力の増強を目的としています。

車両の概要

初めての運行を開始した31編成は、2015年に三菱重工業で製造され、そのデザインは東京都が出資している「ゆりかもめ」の7300系に似ています。この1編成は5両から構成され、製造費用は約5億1,000万円（消費税抜き）でした。

特徴的な車体デザイン

330形の車体は、アルミニウム合金を使用しており、前モデルの300形と比べて大幅に軽量化されています。具体的には、1編成あたりで7.4トンの軽量化が実現されました。各車両には片側2か所の外吊り式両開き扉があり、安全性を考慮して予告開閉ランプも装備されています。また、LED式の前照灯と尾灯が先頭車の前面に配され、側窓には熱線吸収UVカットガラスが採用されています。

先頭車両には、日暮里方330-1形には「町の活性化」を象徴するマゼンタ色、見沼代親水公園方330-5形には「沿線の自然」を示すグリーン色が配色されています。これに加え、沿線都市の緻密さを表す縦のストライプが中央側窓の下部に施されています。

主要な機器と装備

330形はVVVFインバータ制御装置を採用しており、主変換装置によりかご形三相誘導電動機を制御しています。すべての車両が電動車となっているため、力強い走行が可能です。

補助電源装置については、三相交流を使用しており、直流100V出力の機器が2台搭載されています。この他、照明用や空調用の補助変圧器も各車両に装備されています。

台車は平行リング式ダイヤフラムの空気ばねを採用し、4輪のステアリング方式が採用されています。これにより、走行性能が向上し、安定した乗り心地が実現されています。

車内の仕様と快適性

330形は、混雑時における重量制限を考慮しつつ、オールロングシート化を実現しました。この方針により、より多くの乗客を収容できるだけでなく、快適な移動環境を提供しています。さらに、新設された荷棚やつり革、LED式照明が充実しており、客室内の利便性を高める工夫がされています。

優先席はマゼンタ色で、一般席はグリーン色が採用され、乗客にわかりやすい色分けが施されています。車両内に設置されたフリースペースは、車椅子やベビーカーの利用を考慮しているのも特徴です。防犯カメラも各車両に設置されており、安全面にも配慮されています。

増備計画

330形の2次車は、2019年度に2編成が追加され、製造は三菱重工エンジニアリングに引き継がれました。これらの編成も日暮里・舎人ライナーの混雑緩和に寄与しています。

2022年度から2024年度にかけては、さらに12編成の導入が計画されており、総合的な輸送力の向上が期待されています。このように、330形電車は今後も東京都内の交通を支える重要な役割を果たし続けることでしょう。

もう一度検索