東京都交通局8800形電車

東京都交通局8800形電車

東京都交通局8800形電車は、東京都交通局が運営する路面電車の車両で、2009年4月26日に営業運転を開始しました。この車両は、老朽化が進んだ従来の7500形を置き換えるために導入され、そのデザインは未来を見据えた先進性と快適性をテーマにしています。

デザインとスタイル

8800形のデザイン選定は、3つの案が公募され、その中で最も支持を受けた案が採用されました。デザインには「優しさと親しみを感じる丸み」、「速さとスマートさを演出する曲線」、「都会的な印象を与える直線的なスタイル」が求められました。最終的に採用されたデザインは、丸みを帯びた柔らかな印象が特徴です。

車両の外観は、従来の8500形までの緑・白の配色とは異なり、前面と側面の上下の縁にはローズレッドやバイオレット、オレンジ、イエローが使われています。側面全体は白色で、デザインには「Arakawa Line」というロゴが描かれています。客用扉は片側2扉で、前扉は片開き、中扉は両開きという仕様になっており、告知ランプも完備されています。

車両の特徴

8800形の車両は、荒川線で初めて横長の大型窓を採用しており、上部には引き違い式の開閉が可能な構造となっています。車内は、ピンク色のバラの模様が施された座席が特徴で、ずらりと並ぶ前向き座席とロングシートが巧妙に配置されています。また、ロングシートには仕切り用の手すりが設けられ、降車用の押しボタンも至る所に配置されています。

さらに、8800形は、停車駅の案内を行うための2画面の液晶ディスプレイも備えており、2015年からは広告の表示機能も追加され、情報量が大幅に増えました。内装は白を基調とし、床材に大理石をイメージした質感が使用されています。また、視覚的な配慮から手すりや扉の合わせ目は黄色にコーディネートされています。

運用とイベント

8801号車と8802号車は2009年4月26日に最初に運用を開始し、その後も東京都下水道局との協力で環境に優しいグリーン電力を利用し運行されました。このデビューに際しては記念ヘッドマークも装着され、路面電車の日のイベントでは特別運行が行われました。最終的に8800形は全10両が揃い、安定した運行に寄与しています。

カラーリングと都市伝説

8800形の車両カラーには、8801から8805号車までがローズレッド、8810号車は唯一の黄色が採用されています。この黄色の車両は、見つけると幸せになれるという都市伝説も生まれ、都電荒川線と東急世田谷線とのコラボ企画も実施されました。これにより、さらなる地域の活性化へとつながっています。

8800形は、東京都内の交通システムに新しい風をもたらした存在であり、その魅力は今も多くの利用者に愛されています。

もう一度検索