都電荒川線

荒川線（あらかわせん）の概要

東京都荒川区の三ノ輪橋停留場を起点とし、新宿区の早稲田停留場まで、全長約12.2キロメートルを結ぶ路面電車が東京の荒川線です。東京都交通局が運営するこの路線は、愛称「東京さくらトラム」としても知られています。2017年11月からは駅ナンバリングも導入され、SAという記号が使用されていました。

歴史と経緯

荒川線は、かつての王子電気軌道によって開通し、その後東京市に移管されました。路線が統合されてからは、数十年にわたり利用されてきましたが、交通渋滞や経済状況により、都内の他の都電路線の多くが廃止されました。それでも、荒川線はその専用軌道の大部分を活かし、定刻通りの運行ができる強みを持っています。

1972年時点で、この路線は存続することができ、多くの利用者に支持され続けています。そして、1974年には三ノ輪橋から早稲田間の一体運行が開始され、現在の「荒川線」の名称が制定されました。

沿線の特徴

沿線には多くの観光スポットや桜の名所も存在し、春には特別運行される「都電さくら号」が運行されます。また、荒川区は1985年からバラの植栽にも力を入れており、これらを背景に地域の活性化が進められています。

運行形態

荒川線は全線一系統で、系統番号は付されていません。朝夕と日中の運行間隔はおおむね2分から6分程度で、時間帯を問わず運行されています。それぞれの停留場には、発車標が設置され、到着する列車の行き先や時刻が表示されるシステムが導入されています。

駅ナンバリングと運賃

2017年から導入された駅ナンバリングは、一般利用者や観光客にとっても便利なもので、計30の停留場が設けられています。また、運賃は大人170円、小児90円と一律で、ICカードや現金での支払いが可能です。さらに回数券も販売されており、利便性が高まっています。

運転システム

ワンマン運転が採用されているため、運転士は車両の運行・車内放送・運賃収受を一手に行います。また、降車方式は前乗り・後降り方式を採用し、運賃先払い制を導入しています。

特徴あるマスコットとイベント

荒川線のマスコットキャラクター「とあらん」は、イベントやSNSを通じて多くの人々に愛されており、地域のシンボルにもなっています。毎年の記念日イベントや、「路面電車の日」の特別催しに参加することで地域とのつながりも深まっています。

周辺地域の喧騒をよそに、穏やかに運行されるこの荒川線は、東京らしい風景を楽しみながら、移動の便を提供しているのです。都電の魅力を感じながら、ぜひ一度乗車してみてはいかがでしょうか。

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