東京都庭園美術館

東京都庭園美術館について

東京都庭園美術館は、東京都港区白金台に位置する都立の美術館です。この美術館は、以前の朝香宮邸を利用したもので、1920年代から30年代にかけて建設されました。美術館の外観はシンプルな作りですが、内部にはアール・デコ様式の洗練された装飾が施されています。特に、フランスのインテリアデザイナーアンリ・ラパンやガラス工芸家ルネ・ラリックなどの作品が美術館の魅力を一層引き立てています。

沿革

東京都庭園美術館の歴史は、朝香宮鳩彦王によって1933年に完成した宮邸に始まります。この建物は、皇室の一部であり、香淳皇后の叔父の住まいでした。宮邸は1947年に朝香宮一家が退去した後、外務大臣公邸として使用された時期もあります。その後、1950年には西武鉄道に払い下げられ、迎賓館「白金プリンス」として改装されました。

1974年まで国賓や公賓を迎える迎賓館として使用された後、1981年に東京都が購入し、1983年に都立美術館として一般公開されました。近年では、2011年からの長期休館を経て、2018年に全面的に再開しました。

施設概要

美術館本館は、鉄筋コンクリート造の2階建てで、地下1階を備えています。アール・デコ様式の特長を活かしたデザインが随所に見られ、特に1階の大広間や大客室には贅沢な装飾が施されています。これらの競作を手掛けた芸術家たちの作品は、その美しさと技術で高く評価されています。また、茶室「光華」は日本庭園の中に建っており、和の雰囲気を感じられる落ち着いた空間を提供しています。

庭園

美術館の庭園は、芝生広場、日本庭園、西洋庭園の3つのエリアに分かれています。訪れる人々は、季節ごとの多様な花々を楽しむことができます。庭園のみの入場も可能で、リラックスした時間を過ごすことができます。1964年には「マーブルプール」と呼ばれる円形の大理石プールが造られ、これもまた美しい景観を提供していましたが、現在は埋め立てられています。

展示内容

東京都庭園美術館では、常設展示は行っておらず、年に数回の企画展示が行われます。特に、アール・デコ様式と関連する資料や朝香宮邸に由来する装飾品などに焦点を当てた展示が行われており、訪れるたびに新たな発見があることでしょう。

入館者は美術館の装飾や建築に直接触れ、アートと歴史に思いを馳せる貴重な体験をすることが可能です。また、年に一度の特別な公開時には、館内撮影が許可されることもあり、訪問者の好奇心を満たしてくれます。

文化財としての価値

本館や茶室を含む東京都庭園美術館は、1993年に東京都の有形文化財、2015年には国の重要文化財に指定されています。これにより、この建物の芸術的価値が公式に認められ、その保存が奨励されています。

利用情報

美術館は毎週月曜日と年末年始に休館しています。また、開館時間は午前10時から午後6時までとお手頃で、庭園の入場料は非常にリーズナブルです。交通アクセスも良く、目黒駅や白金台駅から徒歩圏内です。

東京都庭園美術館は、歴史とアートが融合した特別な場所ですので、ぜひ一度訪れてその魅力を体感してみてください。

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